経団連タイムス No.3069 (2012年1月12日)

新年祝賀パーティー開催

−経団連など経済3団体


経団連(米倉弘昌会長)、経済同友会(長谷川閑史代表幹事)、日本・東京商工会議所(岡村正会頭)の経済3団体は5日、都内のホテルで「2012年新年祝賀パーティー」を開催した。各団体の会員企業代表者や政界の要人など約1600人が出席し、賀詞を交換した。

■ 米倉会長あいさつ

主催団体を代表してあいさつする米倉会長

冒頭、主催者を代表してあいさつした米倉会長は、「震災からの早期復興をはじめ、多くの問題に直面するなか、野田総理がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加を正式に表明したことは、中長期的な国益の観点から行われた英断である」と評価した。また、「高齢化と財政難を同時に抱えるわが国にとって、社会保障と税、財政の一体改革は待ったなしの状況にある」としたうえで、政府・民主党が取りまとめた税と社会保障の一体改革の素案に、「消費税の引き上げ時期や幅などが盛り込まれたことは、持続可能な社会保障制度を確立し、中長期的に財政健全化を実現するうえで前進である」と指摘。国民の合意を得ながら、今年度中に必要な法制上の措置を講じるよう要望した。

そのうえで、「日本経済が成長してはじめて雇用の創出、財政の健全化、持続可能な社会保障制度の確立といった諸課題への対応が可能になる」との認識を示し、「企業を活性化し、国際競争力を強化することによって、民主導の経済成長を実現していかなければならない」と強調、「昇龍のようにダイナミックに飛翔できる年にしたい」とあいさつした。

■ 野田首相あいさつ

あいさつする野田首相

来賓として出席した野田佳彦総理大臣は、最優先課題として震災復興と原発事故への対応、日本経済の再生を挙げたうえで、「復興庁を司令塔として、力強く震災復興を推進していく」「切れ目なく経済政策を講じて、日本経済の再生に力を入れていく」との決意を示した。

また、「経済成長と財政の規律は両立させなければならない」と指摘。税と社会保障の一体改革について、「野党にも真摯に協議を呼びかけ、政局よりも大局の決断を求め、何としても年度内に法案を提出したい」と強調した。

さらに、「TPPのみならず日中韓、日欧を含む高いレベルの経済連携の推進に全力を尽くす」と述べ、「『本格的な日本の経済再生が2012年から始まった』と言えるよう、歴史的な使命を果たしていく」と表明した。

3団体長が共同記者会見

パーティー後に記者会見する米倉会長(中央)

パーティーの後、3団体長は共同記者会見に臨み、2012年の景気の見通しなどについて見解を述べた。会見での米倉会長の発言概要は次のとおり。

■ 2012年の景気見通し

今年は、東日本大震災からの復興が本格化し、公共投資が日本経済を下支えしていくと思う。他方、行き過ぎた円高、米国、欧州、新興国における経済の減速、欧州金融市場等の先行きの不透明感などの懸念材料もある。厳しい状況だが、企業はイノベーションを通じて新たな市場を創出し、民主導の経済成長を実現していかなくてはならない。

■ 2012年の最優先課題

震災からの早期復興が最重要課題である。政府には、制度・規制改革や経済連携協定の締結、社会保障と税の一体改革により、成長への大きなうねりをつくってほしい。

【総務本部、社会広報本部】
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