経団連タイムス No.3070 (2012年1月19日)

高齢社会対応部会を設置

−高齢化に対応した住まいやまちのあり方について検討


経団連は12月22日、東京・大手町の経団連会館で、高齢社会対応部会(渡邊大樹部会長)の第1回会合を開催した。同部会は、都市・地域政策委員会(岩沙弘道委員長、山口昌紀共同委員長)と住宅政策委員会(宗岡正二委員長、関口憲一共同委員長)の共管の下、20以上の関係企業・団体の参加を得て、精力的に検討を進める予定である。

■ 部会設置趣旨

部会を設置した背景としては、現在の人口構成を踏まえ、都市・地域政策や住宅政策を考えるにあたり、超高齢化社会の到来を前提とした対応が避けられないことが挙げられる。良質な社会資本の形成には中長期的な準備期間が必要であり、国民が安心して快適な生活を送るためには、密接不可分の関係にある住宅とまちづくりについて、早い段階から日本の将来を見据えた環境づくりを進めておかなければならない。

すでにサービス付き高齢者住宅の提供や「買い物難民」への対策等は始まっているが、現状でその対応が質・量ともに十分な水準には達していない。また、ハード・ソフト両面について、一貫した方針に基づいた包括的な取り組みが行われているとは言い難い。そこで、あるべき姿の実現に向け、部会の検討を官民双方での実効ある取り組みにつなげていくことを目的にしている。

■ 国土交通省の取り組み

第1回の会合では、国土交通省住宅局の井上俊之官房審議官から、「高齢社会に向けた住宅・都市政策について」と題し、同省での取り組み内容に関して説明が行われた。概要は次のとおり。

全国の人口推移を見ると大都市圏の高齢化進展率が激しく、特に、単身あるいは夫婦世帯が急激に増加する傾向にある。高齢者向け住居の確保と安心して暮らせるまちづくりが今後の課題であるが、住宅系(注)の高齢者住宅が高齢者人口に占める割合は1%未満である。諸外国と比べても低い水準にあるため、かつての新興住宅地を高齢者住宅に建て替えるなど、土地資源の有効活用を含め、住生活基本計画に沿った対策を実施する。厚生労働省と共管のサービス付き高齢者向け住宅の供給促進もその一環であり、バリアフリー化率の向上も図っていくほか、金融面での支援策も整備している。

また、PPP(官民パートナーシップ)を活用して公的住宅を受け皿とすることや、ソーシャルキャピタル(社会における人々の信頼関係や結び付き=社会関係資本)の醸成を通じたコミュニティーの形成、「医職住」の近接化というコンパクトシティーの実現、技術開発も推進していく予定である。

(注)居住スペースの提供が基本の「住宅系」に対し、住居と食事などのサービスが一括して提供されるものが「施設系」。老人保健施設や養護老人ホームなどがこれに当たる
【産業政策本部】
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