[ 日本経団連 ]

東日本大震災に係る雇用問題への配慮に関する要請書

2011年4月12日
(社)日本経済団体連合会

このたび、東日本大震災に係る雇用問題への配慮について要請がございましたので、以下の通り、お知らせいたします。


平成23年4月11日

東日本大震災に係る雇用問題への配慮に関する要請書

日頃より、各種の雇用対策に格段の御配意を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、去る3月11日に発生した東日本大震災により、多数の尊い人命が失われ、かつ、甚大な経済的被害がもたらされました。犠牲となられた方々に対し、心より哀悼の意を表させていただきます。

今般の震災により、今後相当の期間にわたり、事業活動及び雇用への重大な影響が生じることが懸念されており、多数の方々が生活の基盤となる職場を失うおそれがあります。

既に、経済団体からいただいている御要望も踏まえ、事業主の皆様の雇用維持の努力を一層強力に支援するために雇用保険や雇用調整助成金の特例措置を決定しております。

また、4月5日には、政府の「被災者等就労支援・雇用創出推進会議」において「「日本はひとつ」しごとプロジェクト」(以下「プロジェクト」という。)を決定するなど、政府を挙げて対策に努めておりますが、更に施策の充実に努めてまいります。

つきましては、下記の事項につきまして、私どもの要請に何卒深い御理解を賜り、傘下団体及び事業主の皆さまにこの趣旨を徹底していただきたく、御協力をお願い申し上げます。

  1. 一 震災による影響に加え、計画停電の影響による休業が広がっていることから、プロジェクトを踏まえ、雇用調整助成金の特例措置の対象を拡大したところであり、本特例措置も活用していただきながら、従業員の雇用維持に努めていただくよう、お願いいたします。
  2. 二 被災者の中には、地元での職を求める方もおられれば、避難場所などの被災地外において、一時的あるいは安定的な職を求める方もおられます。こうした様々なニーズに対応するため、プロジェクトの趣旨に御賛同いただき、職を失った被災者を対象とする求人を積極的に出していただくなど、被災者の積極的な雇入れについて、特段の御配慮をお願いいたします。特に、被災地外への避難者を対象とする求人をハローワークに出していただくよう、お願いいたします。政府としても、被災者を対象にした雇入れ助成金によるインセンティブ付与の強化に努めてまいります。
    また、特に厳しい環境にある被災した新卒者を対象とした求人についても、積極的にお願いします。
  3. 三 新入社員については、入社の後、休業せざるを得ない場合には雇用調整助成金を活用し、教育訓練の機会を設けるなど将来の戦力として雇用を維持していただくようお願いいたします。
    また、内定取消しを受けた方をはじめとする、被災した未就職卒業者の1日でも早い就職のために、3年以内既卒者を採用した事業主に支給する奨励金の支給金額の拡充、要件緩和を行いましたので是非御活用いただき、一人でも多くの未就職卒業者を採用いただきますようお願いします。
  4. 四 また、今夏の厳しい電力需給状況を背景に、労働時間など労働条件の変更を計画される場合には、労使が十分に話し合っていただき、家庭責任等を有する労働者の事情にも配慮しつつ、雇用・就業の継続を図りながら、この難局を乗り切る方策を見いだしていただくよう、お願いいたします。
  5. 五 あわせて、先般ご要請させていただいたところでありますが、東日本大震災により被害を受けた、派遣労働者、有期契約労働者及びパートタイム労働者への配慮につきましても、重ねてお願い申し上げます。
厚生労働大臣
細川律夫

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