規制改革国際シンポジウム総括文書

(東京、1999年12月6日)

本日、オーストラリア大使館、カナダ大使館、欧州委員会代表部、ニュージーランド大使館、米国大使館、経団連および経済広報センターは、先進工業諸国から専門家とビジネスリーダーの参加を得て、規制改革国際シンポジウムを開催した。

共通の経験−経済成長の前提条件−

シンポジウムでは、それぞれの経験を踏まえて参加者が意見交換を行った結果、包括的かつ首尾一貫した規制改革が経済全体にもたらす恩恵が明らかにされた。規制改革は、規制撤廃・緩和と規制の質の向上の両方を目指している。規制改革により、事業環境は一層透明化するとともに予測可能なものとなり、競争が実現され、挑戦や革新が活発化し、規制遵守のため余儀なくされるコストが低下し、労働市場を柔軟化して雇用情勢を改善する。規制改革はまた、健康や安全に関する基本的なルールの必要性も認識している。規制改革は、柔軟、開放的で活発な市場を創造し、長期的に持続可能な経済成長を実現するための大前提である。

規制改革は経済と社会双方に恩恵をもたらす

規制改革は極めて現実的で目にみえる利益をもたらす。規制改革により、新たな起業や、企業による新事業分野への進出が容易になる。消費者は多様な選択肢、より良いサービス、価格の低下などの恩恵を得る。航空運賃の大幅な低下や、手ごろな料金で使える携帯電話の爆発的成長はこの好例である。世界各国の経験は、硬直的な構造を是正し、投入コストを削減し効率を向上させる上で、規制改革が決定的な役割を果たすことを示している。規制改革は、市場を開放的なものとし、モノ、サービス、投資の流れを加速し、国内外を通じて企業の競争力を強化する。

規制改革は進行中である

社会全体が、過剰規制から非介入的、健全かつ競争促進的な規制への移行から長期的に得られる恩恵を実感するためには、政府は指導力を発揮し、国民に対し、規制改革が生み出す恩恵が、移行過程における困難よりはるかに大きいことを示さねばならない。
規制改革には決まった方程式はない。しかし、規制改革が経済を発展させ、国民の生活の質を向上させる上で、非常に効果的な政策であることは広く国際的なコンセンサスである。

以  上

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