2009年5月の第7回ISO/SR/WG総会[於:カナダ・ケベックシティ]での議論を踏まえて回付された、ISO26000のDIS(国際規格案)へのコメント提出およびFDIS(最終国際規格案)移行についての賛否投票が、2010年2月に実施されました。
※DISの原文および邦訳版は、ISO/SR国内委員会のホームページをご参照下さい。
http://iso26000.jsa.or.jp/contents/document.asp
FDISへの移行については、中国やインドなどが反対票を投じましたが、賛成票がWGに参加している正規メンバー国(92ヶ国)の投票の2/3以上、かつ反対票がISO全加盟国(105ヶ国)の投票の1/4未満であったため、2月27日付で移行が決定しました。
日本では、4回にわたって開催されたISO/SR幹事会において、6つのステークホルダー(産業界、労働組合、消費者団体、NGO、政府、調査・研究機関)が提出したコメント候補についての検討を行い、最終的に57の候補(案)をとりまとめました。同候補(案)は、ISO/SR国内委員会で全会一致で承認されました。また、FDISへの移行についても賛成が承認され、結果、日本としてFDISへの移行につき、2月12日にコメント付賛成投票を行いました。
57のコメントの内、43(75%)が産業界提出分でした。産業界コメントについては、他のステークホルダーとの若干の調整はありましたが、概ね当初の提案を反映させることができました。
なお、投票権はありませんが、BIAC、IOE、ICCなどの国際産業団体は、FDISへの移行については、時期尚早との見解を表明しています。その主な理由は以下の通りです。
今後、統合起草タスクフォース(IDTF)がDISに寄せられた2600以上のコメントを整理・分析した上で、主要論点を特定し、それらにつき、5月のWG総会で議論することになります。総会での議論をふまえてDISを修正し、9月頃にFDISが回付される予定です。回付後、2ヶ月間程度技術的なコメントを受け付け、最終投票を行った後、12月頃に国際規格(ISO26000)が発行される見通しです。
発行までの主なスケジュールは次の通りです。
3月16日〜19日 | 統合起草タスクフォース(IDTF)会議および議長諮問グループ(CAG)会議〔於 ケープタウン〕
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5月17日〜21日 | 第8回WG総会〔於 デンマーク・コペンハーゲン〕
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9月頃 | 最終国際規格案(FDIS)回付、技術的コメント受付 |
11月頃 | 最終投票 |
12月頃 | 国際規格(IS)発行 |
日本経団連では、今後ともコペンハーゲン総会等における日本産業界の意見反映に努めてまいります。また、ISO26000の発行を見据え、ISO26000普及・促進関連行事(セミナー等)の開催も検討してまいります。会員企業の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。