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日本経団連 CSRインフォメーション(第17号)

発行:(社)日本経済団体連合会 政治社会本部
2010年6月14日

ISO SRに関するワーキンググループ第8回総会の概要

1. ISO SRに関するワーキンググループ第8回総会の成果

(1)第8回WG総会の開催目的

去る5月17日(月)〜5月21日(金)にかけて、デンマークのコペンハーゲンにおいて、ISO(国際標準化機構)のSR(社会的責任)に関するワーキンググループ(WG)の第8回総会が開催されました。同総会には、99カ国、42国際組織から政府、産業、労働、消費者、NGO、有識者の6カテゴリーに属する470名の専門家・オブザーバーが参加し、ISO史上最大規模の総会となりました。

2010年2月のDIS(国際規格案)に対する投票において、FDIS(最終国際規格案)への移行が承認されたことをふまえ、今回の総会は、DISに対して寄せられた2400余りのコメントを基に整理された15の主要論点(コペンハーゲン・キー・トピックス=CKT※)を審議し、結論を出すとともに、ドラフトの改善提案について逐条審議し、ドラフト作業を完了させることを目的に開催されました。

※15の主要論点(CKT)
  1. 利用しやすさと長さ
  2. 様々な組織への適用可能性
  3. ガイダンス規格であることの強調
  4. 附属書と認証可能な規格
  5. WTOと貿易障壁
  6. 国際行動規範
  7. 予防原則
  8. 共通だが差異ある責任
  1. 性的指向
  2. 動物福祉
  3. 政府・国家への適用
  4. 影響力の範囲
  5. ステークホルダー関連事項
  6. 適切な注意
  7. 社会貢献活動と社会的投資

(2)第8回WG総会における議論結果

今回の総会における議論結果の概要は次の通りです。

  1. 15の主要論点、1000を超える文言の修正提案を審議し、国際規格の最終文案(FDIS)を編集上の微修正を除き完成することができました。

  2. 最終文案は、米国政府ならびにカナダ政府代表が反対表明(環境・消費者課題の予防原則の表現に反対)したものの、総会で承認されました。これにより2010年12月の発行が確実となりました。

  3. CKTについては、WTOと貿易障壁、予防原則、共通だが差異ある責任、性的指向の4点について議論がありましたが、あとは概ねIDTFの案(Proposed Way Forward)に添って解決しました。

  4. 発行から3年後の見直しまでの間、規格の解釈や普及・促進に関するアドバイス等を行うため、作業部会議長団とステークホルダー代表による後継組織(Post Publication Organization)の設置を勧告しました。なお、PPOのメンバーに、日本からWGのTG(タスクグループ)2座長の冨田氏(ソニー株式会社)、TG4共同座長の熊谷氏(財団法人 国際労働財団)の2名が参加することになりました。

  5. 無償化については、ISO Council(理事会)の決定を覆せない状況に鑑み、ほとんど議論は行われませんでした。

2.今後のスケジュール

今後、総会での議論をふまえて編集上の修正を行い、8月1日にFDISが回付される予定です。回付後、2ヵ月間投票を受け付け、投票結果に基づき12月に国際規格(ISO26000)が発行される見通しです。

発行までの主なスケジュールは次の通りです。

6月21日頃Editing Committeeが編集後のFDISをISO事務局へ送付
8月1日FDIS回付、投票受付
10月1日FDIS投票締切 (反対のみコメントを付す)
12月頃ISO26000発行予定

今回の総会をもって規格策定作業が終了したことを受けて、今後、日本経団連では、会員企業向けの普及促進に重点を置いた活動を展開する予定です。手始めに7月5日(月)午後2時〜5時、経団連会館で「ISO26000説明会」を開催いたします。今後とも、会員企業の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。

【本件ご連絡先】
(社)日本経済団体連合会 政治社会本部 網野、漆間(うるま)
  電話: 03−6741−0152
  FAX: 03−6741−0352
以上

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