去る5月17日(月)〜5月21日(金)にかけて、デンマークのコペンハーゲンにおいて、ISO(国際標準化機構)のSR(社会的責任)に関するワーキンググループ(WG)の第8回総会が開催されました。同総会には、99カ国、42国際組織から政府、産業、労働、消費者、NGO、有識者の6カテゴリーに属する470名の専門家・オブザーバーが参加し、ISO史上最大規模の総会となりました。
2010年2月のDIS(国際規格案)に対する投票において、FDIS(最終国際規格案)への移行が承認されたことをふまえ、今回の総会は、DISに対して寄せられた2400余りのコメントを基に整理された15の主要論点(コペンハーゲン・キー・トピックス=CKT※)を審議し、結論を出すとともに、ドラフトの改善提案について逐条審議し、ドラフト作業を完了させることを目的に開催されました。
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今回の総会における議論結果の概要は次の通りです。
15の主要論点、1000を超える文言の修正提案を審議し、国際規格の最終文案(FDIS)を編集上の微修正を除き完成することができました。
最終文案は、米国政府ならびにカナダ政府代表が反対表明(環境・消費者課題の予防原則の表現に反対)したものの、総会で承認されました。これにより2010年12月の発行が確実となりました。
CKTについては、WTOと貿易障壁、予防原則、共通だが差異ある責任、性的指向の4点について議論がありましたが、あとは概ねIDTFの案(Proposed Way Forward)に添って解決しました。
発行から3年後の見直しまでの間、規格の解釈や普及・促進に関するアドバイス等を行うため、作業部会議長団とステークホルダー代表による後継組織(Post Publication Organization)の設置を勧告しました。なお、PPOのメンバーに、日本からWGのTG(タスクグループ)2座長の冨田氏(ソニー株式会社)、TG4共同座長の熊谷氏(財団法人 国際労働財団)の2名が参加することになりました。
無償化については、ISO Council(理事会)の決定を覆せない状況に鑑み、ほとんど議論は行われませんでした。
今後、総会での議論をふまえて編集上の修正を行い、8月1日にFDISが回付される予定です。回付後、2ヵ月間投票を受け付け、投票結果に基づき12月に国際規格(ISO26000)が発行される見通しです。
発行までの主なスケジュールは次の通りです。
6月21日頃 | Editing Committeeが編集後のFDISをISO事務局へ送付 | |
8月1日 | FDIS回付、投票受付 | |
10月1日 | FDIS投票締切 (反対のみコメントを付す) | |
12月頃 | ISO26000発行予定 |
今回の総会をもって規格策定作業が終了したことを受けて、今後、日本経団連では、会員企業向けの普及促進に重点を置いた活動を展開する予定です。手始めに7月5日(月)午後2時〜5時、経団連会館で「ISO26000説明会」を開催いたします。今後とも、会員企業の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。