住宅金融制度の拡充


住宅金融公庫による個人向けの融資はこれまで、わが国における住宅ストックの 形成に重要な役割を果たしてきたが、今後は民間住宅金融に係わる規制緩和の流れを 踏まえつつ、その時々の経済・金融情勢に応じて、民業を補完するかたちで政策金融 としての役割を担っていくべきであり、中期的にそのあり方や役割を見直していく必 要がある。 したがって当面は、規制緩和等による民間住宅金融の拡大に配慮しつつ、国民のニー ズを踏まえた融資枠の確保、基準金利適用に係わる制限の緩和等を図るべきである。
  1. 94年度の住宅金融公庫融資枠の確保
    住宅金融公庫は93年度に例年より大幅に多い融資申請を受理した結果(約130 万戸分)、94年度に約50万戸分が繰り越された。そのため、94年度の新規 受理分も含めれば、94年度の融資枠(63万戸分)では処理しきれない事態が 生じている。したがって、堅調な住宅取得、建設に悪影響を及ぼさないよう、当 面の課題として融資枠の確保に努めるべきである。

  2. 94年度第2回受付分の公庫資金支払いの早期実施
    今年度の第2回受付分においては、公庫資金の支払いが最長6ヵ月遅れる可能性 があるとされている。仮にそうなった場合、デベロッパーあるいは住宅取得者に その遅延期間中の金利負担が重くのしかかる事態が予想されることから、公庫資 金を極力早期に支払うことが可能となるよう全力をあげるべきである。

  3. 住宅金融公庫基準金利適用に係わる制限の緩和
    住宅金融公庫の融資の対象となる住宅は現在、基準金利の適用に関し床面積によ る制限が行われている。より質の高い住宅ストックの形成を図るため、床面積制 限の緩和(現行:125平方メートル→165平方メートル)を図るべきである。


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