「WTOとさらなる貿易の自由化は引き続きわれわれの主要関心事」

(仮訳・原文

1995年3月9日
社団法人 経済団体連合会


  1. 経団連、全米製造業者協会 (National Association of Manufacturers of the United States)、米国国際ビジネス評議会 (U.S. Council for International Business)、米国エレクトロニクス協会 (American Electronics Association)、自由貿易推進グループ (仮訳、ProTrade Group)、及び欧州産業連盟 (UNICE、Union of Industrial and Employers' Confederations of Europe) は、これまでウルグアイ・ラウンド交渉を支持し、交渉の成功裡の終了に向けて協力してきた。 各団体の代表は、WTO(世界貿易機関)の発足を機に3月9日にブリュッセルで会議を行い、新しい国際貿易のあり方について議論を行った。

  2. 参加者一同は、さらなる貿易の自由化を含む多国間貿易システムを支持し、国際貿易の予見可能性と安定性を高めるために可能な限り多くの国々がすべての新ルールを採用することを望む旨を再確認した。また、最近の通貨危機がこの安定性を阻害しつつあり、この点についてさらに議論を行う必要性があることに留意した。

  3. 近い将来において以下の3点が実現する事を望む。
    1. WTOとその紛争処理手続機関の効果的な実施。上訴審及び紛争処理パネルにビジネス経験の豊富な人材を登用すること。
    2. 金融サービス、基本テレコムなどウルグアイ・ラウンド交渉で継続交渉とされた分野で期限内に合意を得ること。
    3. 受諾可能な条件で出来る限り早く中国のWTO加盟をはかること。

  4. 各参加団体は、経済成長なしには適切な環境政策の推進が不可能であることを認識し、WTO貿易と環境委員会の設立を歓迎し、環境問題の改善を支持した。また参加者は、一方的な貿易措置は環境政策の目的達成に適切なものではなく、国際環境協定によるメカニズムを選択すべきであると信じている。

  5. 国際貿易にかかわるその他の課題、特に貿易と労働基準、投資、競争も議題として検討され、意見交換された。日米欧の企業にとって喫緊の課題は、外国からの直接投資の自由化と保護の問題である。貿易と投資の関連性を考慮するならば、可能な限り多くの国々の間で、より高度な自由化、透明性、投資保護を規定した多国間合意を締結することが求められる。

  6. 最後に、地域貿易協定についても意見交換した。そうした地域協定は貿易と投資の観点からWTOルールと整合的であり、他の国々にとって市場アクセスの新たな機会となる限り歓迎される。

  7. 今回の会合の参加者は、WTOの諸問題に関する共通のアプローチを確立するため、今後とも引き続き議論を行うこととした。

(注:強調体は経団連事務局による)
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