宇宙開発の意義
科学技術はわが国の経済成長を支える大きな要因であるが、なかでも宇宙開発は21世紀の科学技術を先導し、幅広い産業の芽を生み出しうるものであり、科学技術立国を目指すわが国が優先的に推進するのに相応しい分野である。
さらに、衛星を用いた地球環境・災害監視、通信・放送、気象観測、測位等の実利用が定着するとともに、民生品の小型化・軽量化・長寿命化・信頼性向上等に宇宙開発技術が利用されている。身近な例としては、カー・ナビゲーション、国際電話、天気予報、軽量な炭素繊維強化プラスチックの活用などが挙げられる。特に、阪神大震災を契機に、防災の観点から衛星の活用に対する期待が高まっている。
その他、宇宙開発はわが国が国際社会に貢献していくうえでも恰好の分野であり、宇宙の真理の探究も、引き続き進めるべき重要課題である。
産業界も政府に協力して、宇宙開発関係の情報提供体制の整備等により、宇宙開発に対する国民の理解促進につとめる所存であるが、政府は、将来の技術力強化、安全で質の高い国民生活を目指し、特に以下のプロジェクトに重点をおいて、来年度宇宙開発予算の編成を進めるべきである。