別紙

経済活性化のための民間の自己努力について(具体的要請事項)
5.新産業・新事業の育成


(1) 新規参入を容易にするための企業行動・商慣行の是正

創業間もない中小企業等の製品・サービスが市場において正当な評価を受けることができるよう、各企業・業界は新規参入を阻害している企業行動や商慣行を是正し、内外に理解される透明な商慣行を確立し、市場への新規参入を容易にするよう努める。

(2) 雇用慣行の見直し

人材の流動化を進めるために、新卒者中心の採用、終身雇用あるいは長期継続雇用を前提とした人事・賃金制度や、社内完結型の福利厚生の見直しによる開放型の雇用体系の構築等、雇用慣行の見直しに努める。

(3) 知的所有権の尊重

新事業のシーズとなる研究開発への取り組みを促進するため、企業内発明に対する権利の帰属と発明者への報償に対する明確な位置づけを行なう。

(4) 知的所有権の担保化

研究開発型起業を促進するため、知的所有権の担保化を進める。そのために、(1)知的所有権の担保評価方式の開発、(2)担保債権としての知的所有権の買い取り流通を行なう仕組みの創設を検討する。

(5) 株式店頭公開後の流通市場の整備

NASDAQでは公開後の株価について、証券会社が売値、買値の気配値を示して、投資家から売買の申込みがあれば最低売買単位の売買に応じなければならないことによる、マーケット・メイク活動が活発に行なわれており、円滑な取引が可能となっている。わが国においても、証券会社による積極的なマーケット・メイク活動を進め、流通市場の整備に資するよう努める。

備考
早急な検討が必要。

(6) 独立起業への支援(資金提供等)

草創期(アーリーステージ)にある企業への投資を行うとともに、各種経営資源(経営のチェック・サポート、販路開拓の紹介・斡旋等)の提供を行なうことにより、新産業・新事業を担うべきベンチャー企業の育成に努める。

(7) コーポレート・アライアンスの展開

独立ベンチャー企業の成長を支援するために、独立ベンチャー企業を対等な企業パートナーとして位置づけて取引を進める。

(8) コーポレートベンチャーの展開

新事業分野を開拓するために、戦略的な位置づけの下に新規事業を推進する。そのために、経営トップが意識を改め、社内の意思決定機構を簡素化して社会動向・市場ニーズへのきめ細かい迅速な対応が可能となるよう組織・制度改革を行なった上で、責任を伴ったリーダーシップを発揮していく。また、従来型の人事評価基準と併用して、創造への挑戦を評価する新たな評価制度のあり方を検討・導入する。

(9) インセンティブ報酬制度の活用

各企業において、積極的な新規事業展開を進めるために、ハイリスクの新規分野に係わる役員・従業員等に対して、現行制度内で可能なインセンティブ報酬制度(ワラント債活用型、株価・業績連動型役員報酬制度)の導入を進める。


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