むつ小川原開発をめぐる当面の課題

1996年10月15日
(社)経済団体連合会


現在、政府は2010年を目標年次とする「新しい全国総合開発計画」を策定中であるが、むつ小川原開発は、1969年に策定された新全総において、ナショナル・プロジェクトとして位置づけられ、また72年および77年に政府の閣議口頭了解が行なわれ、爾来、わが国に残された貴重な大規模臨海工業基地として整備が進められてきた。しかしながら、二度にわたる石油危機や円高の進行、バブル経済の崩壊などによる経済・産業の構造変化に伴い、当初の計画通りに工業立地は進展していない。

そこで、経団連では93年5月に、むつ小川原開発部会を設置し、官民の関係機関と緊密な連携をとりつつ、5項目から成る総合的支援措置を決定し、その実施に取り組んできた。今般、新しい全総計画の策定が行なわれるという機会をとらえ、いま一度むつ小川原開発の意義を再確認し、厳しい経営状況にあるむつ小川原開発(株)への支援を強化することが不可欠である。

ついては、93年5月の総合的支援措置を基本としつつ、官民の関係機関が、下記の課題に早急に取り組まれるよう要望したい。経団連としても、むつ小川原開発(株)を指導し、国の内外を問わず優良な企業、大型プロジェクトの誘致に積極的に取り組む所存である。

  1. 国家的大型プロジェクトの誘導
  2. 官民の関係機関は、相互に協力して21世紀を展望した国家的大型プロジェクトの誘致を実現する必要がある。具体的には国家石油備蓄施設の増設や放射線利用総合研究施設の誘致等を実現すべきである。また、日米欧ロの4極共同のプロジェクトである国際熱核融合実験炉(ITER)については、計画推進に向けた取り組みが行われており、まずわが国での立地を実現させることが重要である。むつ小川原工業基地は、都市基盤の充実など各種の環境整備を進めることにより、その有力な立地候補地の一つとなる。

  3. 各種インフラの整備
  4. 政府は、94年に着工された内港区の5万トン公共岸壁を中心とする「むつ小川原港」の整備促進に向け、特に、少なくとも5万トン公共岸壁1バースが2000年度までに完成するよう、97年度政府予算において必要な財政措置を講じられたい。
    また、政府および青森県は、基地内の工業用水の確保、下北半島縦貫道路の整備促進のために必要な措置を講じられたい。

  5. 安定的低利資金の導入
  6. 政府は、財投制度全体の見直しの中で、むつ小川原開発をはじめナショナル・プロジェクト等を推進する第3セクターなどの資金調達コストを可能な限り引き下げることができるよう、借換えを弾力的に実施できる新たな仕組みをつくりあげる方向で早急に検討を行なわれたい。

以 上


参考資料

むつ小川原開発の歩み


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