地球温暖化防止に関する共同宣言

1996年11月1日

ドイツ産業連盟
会長 ハンス・オラフ・ヘンケル

(社) 経済団体連合会
会長 豊田章一郎


 経団連とドイツ産業連盟(BDI)は、環境問題、特にCO2の排出削減の手段をめぐって、緊密な協力を進めていく。両団体は、炭素税については、その効率性や地球規模でみた場合の効果の点で疑問があるという点で一致した。

 両団体は、より効率的に環境政策目標を達成するためには、むしろ、産業界、政府、市民が連携・協力を図るべきであると考えている。このような観点から、BDIと経団連は、とりわけ地球温暖化防止の分野においては自主的取り組みに最も重きを置いている。

 地球温暖化を防止する上で、一国のみの努力あるいは強制による取り組みは、責任ある態度とはいえない。もし、ドイツと日本の技術水準が全世界の産業活動に適用されるならば、莫大な量のCO2削減が可能となろう。従って、日独の先端技術のより広範な適用と技術移転の増加こそが、省資源と全世界的な地球温暖化防止にとって欠くことのできない前提条件である。

 しかしながら、省エネ・省資源技術の移転は、適切な枠組みが整備され、かつ政治的なリーダーシップによる強力な支援があって初めて実現するものである。そうした枠組みと政治の支援が、技術を供給する国と受入れる国との相互理解の促進、ならびに望ましい投資環境の整備につながる。

 ドイツと日本の産業界は、ベルリンでの第1回締約国会議において決定された「共同実施パイロットフェーズ(共同実施活動)」に積極的に参加する意志がある。

 特に地球温暖化を防止する観点から、CO2を排出しない原子力エネルギーは、極めて重要である。原子力エネルギーは、独立した安全なエネルギー供給源であり、環境面からも経済面からも利点があるという理由により、国際的なエネルギーミックスの中で重要な役割を担っている。

以 上

注)BDIは Bundesverband der Deutschen Industrie e.V.(ドイツ産業連盟)の略。


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