「21世紀政策研究所−魅力ある日本創造のために−」(仮称)
の設立について

1996年10月28日
(社)経済団体連合会


創立50周年を迎えた経団連は、政策研究所を設立し、その歴史に新たなページを加えることとする。

  1. 設立の趣旨
    1. 経団連の政策推進力の一層の充実
    2. 経団連の主たる使命は、委員会活動等を通じ、民間企業の意思を政策に反映させることにある。
      わが国では、戦後50年にわたり「官」(行政府)が政策立案の中心的役割を果してきた。今後はこれまでの行政府主導から立法府主導へと転換していかなければならない。「民」も政策立案能力を高め、立法府等との連携を強化して政策立案に積極的に参画していくべきである。
      そこで、経団連みずからも実証的な調査ならびに研究成果を基に、委員会活動等の理論武装の強化を図り、その政策推進力を一層充実させる必要がある。

    3. 経済社会の長期ビジョンの掘り下げ
    4. 経団連は、先般経済社会の長期ビジョン「魅力ある日本−創造への責任」をとりまとめた。本ビジョンの実現にあたっては、理論的・実証的に一層掘り下げた検討が必要である。

  2. 研究所の特徴
    1. グロ−バリゼ−ションの担い手である企業を会員とする経団連は、21世紀に向けてわが国の経済・社会変革のリ−ド役を果たしていかなければならない。研究所においては現実の経済に軸足を置きつつ、グロ−バルな視点に立った未来指向の調査・研究を行う。

    2. 経団連の会員企業は経済活動の現場を担う「知の大集団」でもある。全会員の協力を得るとともに、この集団をネットワーク化し、その知識と経験を活用する。

    3. 調査・研究のプロセスにおいては、経済界のみならず、内外の政治家ならびに各分野の専門家等をカバ−したグロ−バルな協力と参画を得る。

    4. 研究成果を経団連の委員会活動等に反映させるとともに、必要に応じ、適宜外部に公表し、内外の各層の参考に供する。

    5. 高度情報化に対応して、情報通信ネットワークを活用する等、新たな研究分析システムを工夫する。

  3. 研究テーマ
    1. 経団連の委員会活動に直接関連するテ−マ
    2. 経団連の主張を補完する実証的研究あるいは国際比較および経団連の主張の根拠となる基礎理論の研究

    3. 将来経団連の委員会活動等においてとりあげるべき未来指向型のテ−マ
    4. 中長期的課題に対する政策の選択肢の提示、経済社会の将来予測、国際情勢の情報収集・分析

  4. 研究所の組織、運営
  5. 経団連事務局ならびに会員企業(含、シンクタンク)からの出向者を活用するとともに、適宜外部の「頭脳」をネットワーク化し、柔軟性と効率性の高い運営を行う。
    また、関連組織ならびに既存のシンクタンク等との密接な連携・協力を図っていく。

  6. 「設立準備懇談会(仮称)」の設置
  7. 研究テーマ、研究所の組織・運営等の具体案については会員企業、有識者等からなる「設立準備懇談会」(座長 那須副会長、幹事 三好事務総長)を設置して検討する。また、この事務を行うため事務局内に設立準備室を設ける。

以  上


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