税制改革の早期実現を求める

1998年6月11日
(社)経済団体連合会


急速に進む少子・高齢化、激化する国際競争に対応し、総合経済対策の効果を持続的な安定成長につなげていくためには、国際的視野に立った抜本的な制度改革を行ない、国民の不安を払拭することが不可欠である。
経済・社会の基本的な仕組みである税制については、負担を国民各層が広く薄く分かち合い、また、経済成長の原動力となり国民の雇用の確保に努める企業が大競争時代を乗り越えていけるよう、改革を進める必要がある。そのため、直間比率を是正するとともに、所得の捕捉向上を通じて納税者意識を高め、国・地方財政の効率性に対する監視を厳しくしていくことを基本的方向として、下記の通り、当面の改革の具体的方策を提言する。

  1. 国民各層にわたる所得税の制度減税
  2. 個人の所得に対する課税について、平成11年度から、現在の特別減税にかえて制度減税を行なう。具体的には、諸外国に比べて高い水準にある所得税と住民税を合わせた最高税率を現在の65%から50%まで引き下げるとともに、各所得階層について現在の適用税率を引き下げる。

  3. 法人実効税率の40%への引き下げと税負担の実質的な軽減
  4. 国税・地方税を合わせた企業の所得に対する課税の実効税率を、できるだけ早期に、期限を明確にして、米国なみの40%へ引き下げる。現在の所得課税を単に所得以外のものを対象とする税に置き換えることにより実効税率を引き下げるのではなく、少なくとも1.5兆円程度の実質的な負担の軽減を伴う改革を行なう。

  5. 特別法人税の廃止
  6. サラリーマンの老後の生活を支える企業の税制適格退職年金について、その充実のために、積立金にかかる特別法人税を廃止する。

  7. 連結納税制度の導入
  8. 企業の経営形態の多様化に対応し、企業グループを一体として納税する制度の早期導入を図る。

以 上

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