生活空間情報基盤の構築に向けて
〜地理情報システムの高度利用のための提言〜

提言のポイント


行政における業務の効率化、住民サービスの向上、防災対策や災害時の緊急対応、企業における戦略的な経営判断等を実現する手段としてGISの高度利用へのニーズが高まっている。GISの高度利用の基礎となる地図、行政、経済、環境等のデータは、生活空間情報基盤ともいうべき不可欠の社会インフラであり、その整備を推進することが急務である。行政においては、今後3年以内に、次の措置を実行すべきである。

  1. 生活空間情報基盤の構築を総合的、集中的に行なうため、時限的に推進法を制定するとともに、各省庁を統括し優先的な権限を有する新しい専門組織を設立すべきである(国民にわかりやすいビジョン、責任ある推進体制の構築、重複投資の排除と効率的な整備、国・地方公共団体・民間等の役割分担の明確化等)。

  2. 行政、とくに地方公共団体はGISを積極的に活用すべきである。行政のもつ地図、台帳、統計等の空間データに関し、省庁間、省庁と地方公共団体との間、各部課間等で相互利用を促進するため、標準化を進めるとともに共用可能とし、行政事務の効率化、空間データ整備コストの削減、行政サービスの利便性向上等を図るべきである。

  3. 行政情報について、原則電子化、ならびに、プライバシー等の保護を前提としたネットワークによる提供を推進するとともに、民間による無料または安価な利用、自由な活用を可能とすべきである。また、デジタル化を想定していない法制度を見直すべきである。


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