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1%クラブ寄付対象団体の紹介

1%クラブニュース (No.57 2001 春)

特定非営利活動法人 ライナス教育研究所
所長 吉崎 真里

 知能の発達に遅れはないのに、読む・聞く・書く・話す・計算するなど、特定の分野が苦手である学習障害児(LD児*)や不登校児など現在の学校教育の枠にはまりにくい子どもたちに専門的な治療教育を行い、「豊かな個性」を発揮できるように見守っていく。これが「ライナスの会」の目的であり、「ライナス教育研究所」「フリースクールライナス」「吉崎教室」の3つで構成されます。親(保護者)が子どもにとって最良の理解者となれるよう、家族に対する支援にも重点を置いています。

 私がライナスの会を主催するようになった原点には、法務省少年院院長を務めた父親の姿と、その後の人生経験が重なります。私はアジア発展途上国の教育現場で働きたいと、大学では開発学科を専攻。ユネスコ職員としてカンボジア行きが決まりましたが病気で断念。その後、中学校教師となり教育現場で働き、過労で病に。教育への締め付けや校内暴力が芽生えはじめた時代です。病気療養の合間に学習塾を開き、落ちこぼれの子どもに学ぶ楽しさを教えました。病弱な長男はいつもいじめられっ子。本当に学校のいじめが多かったと思います。藤沢市片瀬の小学校に入った時、たまたまPTA会長に選挙され、教育現場を取り巻く親や先生方の悩み、本音でぶつかり合えない状況を知りました。小さな子どもまでが本音と建前を使いわける。これが重なると一番弱い子にしわ寄せがくるのです。その後LD児の母親から悩みの相談を受けて学習会を自宅で開き、1986年、子どもたちの遊び場として「ライナスの会」が発足しました。私は杉渓一言(すぎたに きよとき)先生に師事し、若い頃からカウンセリングの勉強を続けています。ライナスの会の特長は、子どもが一番影響を受ける親の指導に重点を置き、カウンセリングを重ねながら、家族システム全体を視野に入れた、多面的指導と援助にあります。子どもの成長のためには親が子どもの良き養育者になることが非常に重要です。94年、ライナス教育研究所が発足。99年、フリースクールライナスを開設しました。通常の学校の代替的な役割を果たすスクールには現在、小学生から中学生まで約40名が通って一貫教育を受けています。ライナスの理念は「自分で考え、判断し、行動できる子」を育てること。個性を重視した個別プログラムによる教育と、心の土壌を耕すカウンセリング。子どもは全て大切な社会の資源であり、次世代を担う文化の伝承者です。常勤職員を置いてのスクール運営は月謝による経費では厳しい現状に加え、経済的に苦しい家庭からは月謝を取ることはできません。赤字運営の現状ですが、子どもたちが楽しく学び、個性を伸ばす教育を受けられるよう、多くの方々の理解とご支援をと願っています。

〒251-0032 藤沢市片瀬1-6-37
Tel & Fax:0466-24-6613
http://www.linus.or.jp/

* LD児:LDはLearning Disabilitiesの略。中枢神経系に何らかの機能障害があると推定され、学齢期に主に顕在化する。


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