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1%クラブ寄付対象団体の紹介

1%クラブニュース (No.66 2004 秋)

特定非営利活動法人 東京エイリアンアイズ(TAE)
創設理事 高野文生

NPO法人設立の動機は、私が勤務していた某大学での体験から。大学では国際交流課の職員として働き、外国人留学生の抱えるさまざまな問題に直面しました。ビザの延長申請に入国管理局へ行っても、留学生1人では認可がなかなか下りない。大学職員の私が同行すると、担当者の態度が一変します。官庁だけでなく、大学の中でも、留学生に対する偏見や人種差別があることに気づきました。国際交流を担当する私は、留学生つまり外国人の立場から日本社会を眺めるようになりました。すると、日本社会の改善点が実によく見えます。大学でも留学生は、同じ仲間であるにも関わらず、異質なエイリアンのように見られている。その意識から、「東京エイリアンアイズ」いう名前が浮びました。1999年に韓国人留学生と任意団体を結成、2000年に大学を退職しNPOの専従に。NPO法人格の取得は2002年です。
大学退職を決意した理由の1つに、ある大手不動産業からの誘いがあったのです。外国人留学生向けにインターネットで発信していた情報に留学生にやさしい不動産業紹介があり、大手から「ビジネスとして留学生向け賃貸ルーム事業を始めたいので提携してほしい」との申し入れ。不動産業者は外国人、障害者、高齢者には部屋を貸さないことが多いのですが、ビジネスとして始めるなら、今後、社会的弱者といわれる人々へ役立ち、両者をつなぐパイオニアとして仕事ができると喜びました。結果的に実りませんでしたが。
TAEの留学生支援事業は、外国人留学生が差別なく、安心して学び活躍できる環境づくりと、日本人の心の開国をめざすもの。情報受発信は主にインターネット。ネットを通じて多数アクセスがあります。現在の支援事業は調査、交流、支援、相談、人権コンサルタントなど。助成財団等からの助成金や協賛を得て、事業展開しています。調査事業では「日本語学校学生満足度調査」による満足度ランキングを発表し、留学生の声を社会に発信しました。独自の支援事業は外国人留学生のための「保証人ボランティア紹介サービス」です。部屋を借りる時、「日本国籍を有する連帯保証人」が必要で、留学生は苦労します。そこで我々NPOが保証人ボランティアを紹介するシステムです。保証人はTAEへボランティア登録している日本人へ依頼。経済的負担はNPOが負い、ボランティアには一切迷惑をかけません。留学生はTAEへ入会し、一定の費用を支払いますが、部屋と保証人が見つかり、アルバイト先の紹介や、交流・相談もできるメリットが付きます。
交流事業を含め他にもプログラムがありますが、今後の夢は、到着した空港での出迎えから帰国時の見送りまで、トータルな外国人留学生の支援です。また、高い家賃の部屋を日本人とシェアし、相互交流を図るシェアルーム構想も進めています。

〒113-0033 東京都文京区本郷1-33-3-310
Tel:03-6801-9666 Fax:03-6801-9667

特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム
国内事業統括 鈴木祐司

私たちは、子どもを対象に活動するNPO法人ですが、「直接」子どもに触れ、一緒に活動する事業はありません。私たちの活動は、子どもたちと日々接している多様な「現場」へ支援をしている「青少年分野」に専門特化した新しい形の中間支援組織(インターミディアリー)です。その活動の1つが、5歳〜25歳までの青少年活動に対する資金の流れを増やすこと。日本でも、子どもが起こす犯罪、子どもが巻き込まれる犯罪、いずれのニュースからも彼らの悲鳴が聞こえてくるように思います。しかし、一般的には何かしたいと願っても、どのようにすべきかわかりづらいのが現状です。学校教育のあり方の再検討が続き、地域の活動もNPOを中心として広がりつつあると思います。しかし、成果をあげた優れた活動に対しても、必要な資金が充分と言えない状況です。そこで私たちは、青少年問題に関心をもつ個人や企業の方々に提案しています。「子ども・青年期」を迎えている彼らに対して「投資」をしませんか?と。現在の「子ども・青年期」をどのように過ごすか、様々な難しさや迷いを抱える彼らの状況を、いかに改善することができるか。私たちは日々の活動を通じて「ここにくるとホッとするよな〜」とか、「色んな人たちと議論して、一緒に何かを創る。たまに自分の意見が通って、形になれば最高!」という子どもたちを知っています。小規模で、社会的にあまり知られなくても、全国で子どもが必要としている活動があることを。個人・企業の皆様に資金提供を求め、それを最大限に活かす方策と成果報告に責任を持ちます。「子どもを想う気持ち」と「最良の活用法」へ橋をかける活動の実践です。1999年〜2000年にかけて個人と企業人を対象とした世界的募金キャンペーン「チルドレンズ・アワー募金」を実施。米国ルーセント・テクノロジー社や松下電器産業(株)と協働しています。現在は青少年の「生きる力」を培う体系的なプログラム「Lions-Quest『思春期のライフスキル教育』」の全国展開も進めています。
私がこの仕事に携って8年目。小学校5年生の時いじめに会い、電池が切れるようにエネルギーを無くし不登校になりました。ある不登校の子どもたちを対象としたNPOとの出会いが私を変えました。子ども一人一人と対話し、子ども自らが日常と学びのカリキュラムをつくる。その教育方針が、私の失った自信と「生きている」実感を蘇らせました。たくさんの人に支えられ、助けられたことへの感謝の気持ちと、自分の経験を活かして、熾烈な10代という期間をもう少し和らげられないかと、この活動に専心しています。

〒108-0074 東京都港区高輪4-10-63-202
Tel:03-3440-3373 Fax:03-3440-4447

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