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ワンパーセントひろば

─ 企業の社会貢献活動のご紹介 ─

(No.58 2001 夏)

日本生命保険相互会社

● 第9回「“ニッセイ富士の森”植樹祭」

日本生命では、自社の紙使用量に見合う森林資源を、植樹によって還元していく「ニッセイ100万本の植樹運動」を平成4年から実施しています。平成4年度の紙使用量は約1万トンでしたが、再生紙の利用や古紙の回収を推進する「ニッセイ SAVE & RECYCLE 運動」によって圧縮され、新たに使った紙の量は4150トン。紙1トンを生産するには、立木(直径14cm・高さ8m)が24本必要となります。このため、1年に約10万本、10年間で100万本を植樹しようと、当時の伊藤助成社長(現・1%クラブ会長)の提唱によって始められた運動です。昨年春までに8回の植樹を行い、全国41都道府県、延べ126カ所に約83万本の苗木を植樹しました。植樹のための募金活動や植樹祭の運営は同社役職員等で構成される「“ニッセイの森”友の会」が行い、長期にわたる保全活動は「ニッセイ緑の財団」の担当です。
第9回を迎えた今春は、北海道から鹿児島県にわたる全国16カ所、約36haの国有林で実施されました。さる4月21日、当運動の象徴地、“ニッセイ富士の森”(静岡県富士市富士山国有林内)で行われた植樹祭には1%クラブ事務局からも参加。あいにくの空模様でしたが、同社役員や沼津・静岡支社・本社の“ニッセイの森”友の会メンバー、林野庁や富士市、富士宮市などの来賓、子ども会を含む市民の方々など190名ほどが植樹地に参集。記念式典のあとヒノキを1人5本づつ植樹しました。当日用意された苗木はヒノキ、ミズナラ、ヒメシャラ、ヤマザクラなど4800本ほど。富士山麓の広々とした傾斜地には参加者が植樹しやすいよう苗木と添え木、クワなどが用意されていました。森林インストラクターの方々の指導に従い、クワを打ち込んで20cmほどの穴を掘り中央に小さな盛り土を作りました。そこに苗木の根を四方に広げて置き、緑葉のオモテを海側(南)に、白いウラは富士山の方角に向けます。苗木に柔らかな土と残土を盛り、根元をしっかり踏み固め、「大きく育ってね」と心を込めて植樹を終了。霧雨に濡れたヒノキの緑が目にしみるようでした。昼食懇親会のあとは、第一回の植樹地の見学でした。9年目を迎えたヒノキはすくすくと育ち大地に根を張っています。苗木の管理保全を担当する方々の、汗とたゆまぬ献身があってのこと。20年、30年の歳月を経て、緑ゆたかな“ニッセイ富士の森”が富士山麓に広がる景色に思いを馳せて帰路につきました。(1%クラブ取材記事)

“ニッセイの森”友の会事務局:広報部(社会公共)
TEL:03-3507-1628 FAX:03-5510-7387

日本アイ・ビー・エム株式会社

● NPO「イー・エルダー(e-elder)」と協業

2025年には65歳以上の高齢者が日本の全人口の25%を超え、超高齢社会になると言われています。しかし、60歳で定年を迎えた高齢世代はまだまだ元気旺盛。活力、能力、意欲とも若者に負けないと自負する人々も多いはずです。また日本は、「60を過ぎても働ける内は働きたい」という高齢者が世界で一番多い国とも言われています。一方、インターネットなどIT(情報技術)の急速な発展は経済・社会面のみならず個人生活にも影響を及ぼすようになり、情報化に乗り切れない人々、特に高齢者にとって、日常生活での情報格差が生じる危惧も指摘されています。この社会状況の中で、長年、情報システムに携わりIT技術の経験・スキルともに優れた定年退職者たちが活躍するNPO、「イー・エルダー(e-elder)」が誕生しました。「イー・エルダー」は日本アイ・ビー・エムの支援によって、昨年7月に設立、本年1月にNPO法人格を取得した組織です。「イー・エルダー」が産声を上げるまでには、同社社会貢献プログラム・アドバイザー鈴木政孝さんの3年間にわたる尽力がありました。鈴木さんは1993年から約3年間半、「情報通信システムを活用して高齢者の社会参加を促進すること」を目的とする、メロー・ソサエティー・フォーラム(経済産業省管轄)に出向。この間に、高齢者が社会に支えられる側でなく、持てる知識・経験・活力を活かして社会を支える側に立つ場づくりの必要性を強く感じたと言います。構想の実現に向けた努力が実り、昨年、日本アイ・ビー・エムの社会貢献重点分野である障害者福祉と教育・科学に加えて、高齢社会支援が正式に承認されました。「イー・エルダー」のメンバーはITの知識や経験を持ち、社会貢献活動に興味と意欲のある定年退職者たち。彼ら高齢者が社会を支える側に立ち、ゆとりある超高齢社会の実現に寄与することをめざしています。
「イー・エルダー」の事業内容は、(1)収益事業、(2)社会貢献活動、の2本立て。(1)は企業からのITに関連する各種業務の受託で、現在はIBMから委託されたリユースパソコン約1000台の非営利団体への寄贈業務を担当しています。この他、各種団体や行政機関からのIT関連業務や研究・調査の受託があり、自治体等からの要請を受けて既にパソコン研修への講師派遣が実施されています。(2)は地域のボランティア、高齢者、障害者、教育関連などの団体や個人に対するITに関する相談、パソコン操作の教育研修、システム構築などを行う貢献事業です。外出の難しい高齢者や障害者には住居に出向いて個人指導するハウス・コール・システムの導入も検討中です。イー・エルダーでは今後、活動主旨に賛同しIT技術と経験を持つパートナー会員を募集して、ゆくゆくは全国に1万人のパートナー会員をもってNPO法人による社会貢献事業の展開をめざしています。
鈴木さんは、「近い将来、パートナー会員(IT技術者)を指導員として身体障害者の福祉作業所に派遣して、そこがパソコンの再生事業所として機能するように支援したい。NPOがアメリカ的なインディペンデント・セクターとして機能するには、1万人程度の規模で事業展開することが必要でしょう。高齢者が持てる知識、技能、経験を活かして、楽しく豊かな高齢社会を築けるよう、夢と構想は膨らんでいます」と話されました。(1%クラブ取材記事)

社会貢献
TEL:03-5563-4337 FAX:03-5563-4878

川崎信用金庫

● 多摩川の清掃活動と稚魚の放流

さる6月3日、今年で26回目となった多摩川への稚魚放流大会が開催されました。当日はすばらしいお天気に恵まれ、会場となった多摩川河川敷の二子橋下公園には川崎市内高津区子ども会をはじめとする大勢の子どもたち、家族連れ、主催側の川崎信用金庫や川崎市河川漁業協同組合の方々など、2000名近い人々が集まりました。稚魚の放流に先立って朝8時半から多摩川美化活動が実施され、子どもたちが楽しみにしている放流は10時半過ぎから。子どもの健全な育成ときれいな多摩川をめざして、川崎信用金庫が1976年から毎年欠かさず続けているこの活動も、四半世紀を過ぎました。この間、川崎市河川漁業協同組合の方々が稚魚の養殖・運搬、放流時の世話などに協力されています。豊かな自然が残る多摩川は、25年におよぶ努力の積み重ねで、きれいな美しい川に蘇っています。そして今年もアユの遡上が見られたとの、うれしいニュースも聞かれました。
26回目の今年は、ウグイ、ドジョウ、ウナギ、コイなどの稚魚、約5万匹を放流。お腹がオレンジ色のデリケートなウグイは、暑さを避け夜半便で新潟から協同組合の方が運んできたもの。
小さなポリバケツを手に手に子どもたちは魚の生簀に集まりました。元気よく飛び跳ねる稚魚が外に飛び出さないよう、片手でバケツを押さえながら、大急ぎで河辺に走り、稚魚を放流する子どもと大人。稚魚が河辺から元気に川中に泳ぎ出すよう、優しく見守る河川漁業協同組合の方々。きれいな多摩川にさまざまな魚が泳ぎ、豊かな自然の中で子どもたちが元気な歓声をあげて駆け回る。長年にわたり地道に継続する自然保護活動の大切さを再確認する、稚魚の放流大会でした。(1%クラブ取材記事)

情報調査部
TEL:044-220-2256 FAX:044-222-8749

レスキューストックヤード

● 緊急災害時の救援物資

レスキューストックヤード(以下RSY)は、阪神淡路大震災時に、各地から被災地に送られた善意の集積となるべき救援物資が、整理が不十分だったことなどからごみの山になってしまった姿を見たことから始まりました。災害のたびに繰り返されるこの悪循環を改善し、もっとモノを大切にし、助け合い支えあう社会にしたい。その思いから、緊急時は救援物資の発送拠点として、平常時はリサイクル活動の拠点として、生み出されたものです。神戸・奥尻・島原等の災害を経験された方々に「救援物資で何が役立ったか」というアンケートを実施した結果を参考にして、厳選した17品目を集めています(昨年度までは15品目)。RSYに届いた物資を仕分けし、必要なら修理した上で、一部をR2(あるある)パックとして蓄え、災害が起きたときには発送します。この度は、NECが社員に物資提供を呼びかけてくださり、R2パックを80セットとその他物資をダンボール45箱分ご寄付いただきました。過去に企業より、デッドストックになった物品の提供をいただいた事はありましたが、企業内で集める月間を設定し、15品目の呼びかけを行い、社員の手によって仕分けし、パック化までを終えるというご協力を頂いたのは、今回が初めてでした。これは、全世界のNECグループ社会貢献運動“NEC Make a Difference Day 2000”の一環で、集める月間を設定したことが成果につながりました。NECの社会貢献への取り組みの、質の高さに驚くと共に感謝いたしております。
今後も、NPOと企業のパートナーシップの一環として同じような取り組みの輪が広がればうれしく思います。皆様からの善意を、災害にあわれた被災者の方々にお届けすると共に、今後も防災活動・被災者支援活動に積極的に取り組んでいきたいと思います。

■ 募集17品目
タオル・石鹸・ポリ袋・ごみ袋・ラップ・ゴム手袋・軍手・ステンレスマグカップ・B5ノート・ボールペン・バンソウコウ・携帯裁縫セット(以上12品目は新品のみ)
リュックサック・携帯ラジオ・スイスアーミーナイフ・懐中電灯・ウインドブレーカー(以上5品目は新品または美品)

事務局 松本 和美
TEL:090-3556-6586
URL:http://www.npo-aichi.or.jp/rsy/index.htm


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