本セミナーに参加して、いかに「国家」が必要であるかを再認識できた。国家の存在がないこと=国民の命が脅かされることであるのは、パレスチナ問題などを見れば一目瞭然であり、政府・国民自身が国家を守るという意識が大切である。そのために日本は、米国との同盟を組みながらも、肝心なところでは、独立した政策を持つことが必要である。独立していることは、国際情勢が変化しても、軍事面・経済面の独自の政策を持っている、万が一の場合にリスク対応ができる、また今から種をまき20年後に成果を刈り取るような実行計画を持っている、などということであろう。以下の具体的な問題等について政府はどこまでの戦略をもってとり組んでいるか、国民として不安である。
防衛−米国との同盟、自衛隊はあるものの、有事の際に自衛できる体制であるとはいえない。長期的に、日本という国家にどういうリスクがあり、それに対してどのように対応するのか?テロ・中近東問題などを対岸の火事とみている傾向があり、国民にも意識改革が必要。
食糧−仮に日本が世界から孤立したら、自国民を食べさせていくための最低限の食糧生産確保できているか?輸入に頼るとしても何日の蓄積は確保できているか?
技術革新−日本が他国から差別化する将来の技術を何にするのか?バイオか、ナノテクノロジーか?その技術を政府はどのようにはぐくみ開花させるのか?
教育−学力低下が言われる中、理科・数学をどう強化していくのか。歴史問題でも、アジア諸国から日本に「誤れ」といわれて、一般国民は「祖父がやったことを痛感せよ、と言われても・・・しかも一度誤ったではないか。」と反論する程度ではないか?これは、体系的に現代史を教えていない、という教育のあり方に問題がある、と同時に国民もきちんと反論できるよう勉強しなければならない。
国会での政治腐敗の議論も大切であるが、上記の課題について議論がなされているのか。間に合わせではなく、じっくりと対策が打たれようとしているのか、国民には見えてこない。政府は長期的な視点に立った戦略を打ち出し、国民にそれを明確にし、その大切さをもっと啓蒙するアクションが必要である。そして、国民としては、これらの課題の大切さを認識し、政府から情報を求めていく姿勢を持つことが重要ではないだろうか。
この小論文は、企業人政治フォーラム主催の政治集中セミナー出席者からご提出いただいた参加者個人のご意見です。 |