このテーマで小論文を書くには、言葉の定義やカテゴリの範囲が広範であり、かなり雑駁で独断的且つ直感的な意見にならざるを得ない。門外漢の一市民の意見として読み捨て願えればと思う。
先ず、テーマにある「政治」という言葉は、為政者である政治家を連想するが、本来、主権者が立法、行政などの諸機関を通じて国家的統一を維持することである。つまり政治は主権者側、有権者側の行為である。また、「よくする」という言葉は、「有権者が納得できる政治システムにする」ことと定義したい。個々の利害、特定の政策、政党などの良し悪しの問題ではない。
そして、「政治」をよくする要素としては、政治家、有権者、官僚制度などが考えられるものの、政治家は、選挙によって選ばれし人であり、本来は良し悪しの対象ではないはず。むしろ有権者側の問題である。にもかかわらず、有権者が、政治家に批判的であるのは、民意と政治家個人、政治家集団との乖離があるからあり、納得できないからである。今、政治に求められていることは、政策や政党の良し悪しではなく、有権者が納得できる政治であり、そのための政治システムである。政治主導での官僚制度の改革は、その次の課題であろう。
よく話題になる方策としては、地方分権、首相公選制導入など枚挙にいとまがないが、ここでは、市民の政治参加の劇的拡大を目指し、国政選挙へのインターネット投票の導入を提案したい。先進国の選挙投票率はきわめて低いといわれていが、見識ある有権者は投票する利益が投票のコストより極端に低いことを知っている。このため30%という低投票率となる。インターネット投票を導入し、高投票率を実現し、市民の政治参加を進めることを手始めに「有権者が納得できる政治システム」を構築することが必要である。
企業人政治フォーラムにおいて若手政治家の幾人かが、現状の「政治システム」に危機感を持っていたことに好感が持てた。
この小論文は、企業人政治フォーラム主催の政治集中セミナー出席者からご提出いただいた参加者個人のご意見です。 |