現在の国民の最大の関心事は、未曾有のデフレ下にある日本経済を立て直すことであり、このためには従来にない手法により思い切った改革が必要ということで、小泉首相の構造改革政策を支持すべきである。
この構造改革は、経済構造が変化して、最早従来の政策では通用しない状況に至ったという認識に立ち、旧体制を壊し、新しい何かを追求する「創造的破壊政策」であると理解することである。
この創造的破壊は、政・官・財のいずれの分野でも同時並行的に行われる必要があるが、どちらかといえば行政改革路線からくる破壊が優先し、創造部分が欠けているとの批判は率直に受け止めるべきである。
創造的分野としては、バイオ、ナノ、IT等があるが、経済を浮揚させるような力を発揮させるにはこれらの分野に集中的な投資が必要で、このためには不良債権で機能不全に陥っている金融機関の建て直しがまず優先されることになる点を理解すべきである。
不良債権処理は、直接的効果としては破壊的要素が強く、創造的分野に影響が及ぶには時間がかかることから、セイフティネットの援用、並行的な景気刺激策の実施が必要と理解すべきである。
以上のように、飽和点に達した経済の下でのデフレ対策は、前例がなく試行錯誤でやっていかざるを得ないが、ともかく前進していくことが重要であり、あらゆる分野で創造的破壊が実行されるような体制作りが必要である。このためには、従来の首相の権限に、多少大統領的手法を認めた現在の運営方法を、議会民主主義に反するとの批判があっても、当面支持していく必要がある。
なお、政・官・財すべての分野での不祥事の発生に伴い、国民の不信感は最高度に達しており、信頼できる人物の不存在によって子供達の夢を奪うなど教育上由々しき事態となっている。マスコミ等を通じ、何らかの信頼醸成措置が必要と思われる。
| この小論文は、企業人政治フォーラム主催の政治集中セミナー出席者からご提出いただいた参加者個人のご意見です。 |