PDFファイル版はこちら | 2000年 6月16日発行 |
来たる6月25日には、第42回衆議院総選挙が実施されます。景気対策をはじめとする重要政策課題が山積する中で、今回の総選挙は、21世紀初頭の政権を選択するうえでも非常に重要な選挙であります。
そこで「企業人政治フォーラム速報」では、今号より連続して総選挙を特集します。今回はその第1弾として、総選挙に向けた各党の公約をお届けします。投票に際してのご参考としてご利用ください。
項目 | 自民党 | 公明党 | 保守党 | 民主党 | 共産党 | 自由党 | 社民党 |
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キャッチ フレーズ |
□21世紀へニッポン回復 夢のある政治で新生日本を実現します |
□多様な生きかたを支える社会へ 人間性豊かな、21世紀日本の構築 | □日本の原点。家族が原点。だから、守っていきたい。 | □民主党の「15の挑戦と110の提案」〜無責任政治と決別し、安心の未来を創るために | □ゆきづまった自民党政治を切り替え、21世紀に向け新しい政治をおこします |
□日本一新 国民の暮らしを一新する〜5つの具体策〜 | □創造的福祉社会をめざして〜参加・分権・生活型の安心できる“しなやかな”福祉社会へ〜 |
景気・ 雇用対策 |
●公共事業等予備費の執行も視野に入れた適時適切な財政・金融政策を実施 ●新規・成長分野、中小企業における雇用機会の創出により、少なくとも年間50万人程度の雇用を創出 ●2週間程度の長期休暇制度の普及 |
●中小企業支援策の強化 ●新産業の育成 ●新社会資本の整備・拡充 ●緊急100万人雇用創出(2001年度までに)計画の策定 ●雇用の流動化への対応 ●年齢による雇用差別の禁止 |
●積極的財政運営の堅持 ●機動的な追加的景気対策の実施 ●成長産業分野での規制の撤廃・緩和による雇用の創出 |
●これ以上の公共事業大盤振る舞いによる経済政策はやめる ●再就職支援ビジネスの自由化 ●採用募集などにおける年齢差別禁止法を実現 |
●社会保障と暮らしを予算の主役に ●暮らし・福祉優先の公共工事による雇用拡大 ●「サービス残業根絶法案」の成立 ●「リストラ規制法」、「解雇規制法」の制定 |
●子育てのために離職した女性や定年退職者の再雇用を法律で義務づけ |
●失業者の積極的な採用企業に対する優遇税制の創設 ●公的関与による雇用創出(2010年までに100万人規模のホームヘルパーの雇用創出など) |
経済構造改革 (規制緩和等) |
●情報通信の高度化などによる経済の新生と社会経済構造改革の推進 ●エネルギー、バイオ、環境、福祉などの各分野での思い切った規制の改革を推進 ●国際的に魅力ある事業環境の整備(株主代表訴訟の見直しなど) | ●情報通信分野など成長産業分野での規制の撤廃・緩和の推進(経済の活性化と雇用の創出) |
●新産業分野の成長促進のための総合的な科学技術振興策の推進 ●大胆な経済的規制の緩和・撤廃 |
●サービス経済社会の実現(介護・医療・福祉などの社会サービス基盤の整備、長期連続休暇制度の導入など) ●規制分野の割合を対GDP比40%以上から20%程度に半減 | ●「規制緩和」一辺倒やリストラ支援ではない中小企業を守る公正なルールを確立 | ●IT革命をテコとするわが国経済・社会のすべてにわたる構造改革の断行 |
●福祉社会を支えるための「労働(による)構造改革」 ●高コスト構造の是正 |
項目 | 自民党 | 公明党 | 保守党 | 民主党 | 共産党 | 自由党 | 社民党 |
財政再建 |
●日本経済を本格的な回復軌道に乗せた上で ●国・地方を通じた中長期の赤字削減プログラムを策定 |
●2002年度までに景気回復軌道を安定的なものとし、2003年度から ●2003年度を初年度とする「財政再建5ヵ年計画」を策定 |
●景気を実質2%台の自律的回復軌道に乗せた上で ●公共事業と社会保障の仕組みの抜本的改正 |
●財政の健全化と経済の構造改革を同時並行的に進める ●財政健全化10ヵ年プランを策定 |
●軍事費、ODAの半減 ●国債の低利借り換え |
●国・地方の歳出を合計1割(15兆円)以上削減 |
●一般会計および各特別会計にかかわる財務諸表の作成 ●特別財源の一般財源化 |
税制 (法人・ 個人・ 消費税) |
●会社分割に関する税制の整備 ●本格的な連結納税制度の導入 ●贈与税控除の大幅引上げ ●住宅ローン減税の延長を検討 ●個人所得課税の抜本的見直し ●キャピタルゲインの申告分離課税一本化は市場への影響を考慮しながら検討 |
●消費税の福祉目的税化 |
●外形標準課税の導入は社会保険料の企業負担と同時に検討(安易な企業の負担増には反対) ●株式売却益への源泉分離課税を当面継続 ●消費税の福祉目的税化(基礎年金、高齢者医療、介護に限定)税率引上げ時には飲食料品等の軽減税率を設定 |
●法人事業税の外形標準税化 ●人的控除の見直しによる課税最低限の引下げ ●扶養控除見直しなどで児童手当を拡充 ●消費税は一定割合を基礎年金財源のための目的税化 |
●法人課税ベースの拡大 ●投機的な資本取引に対する課税 ●所得税の最高税率見直し、原則「総合課税」化 ●課税最低限の引下げには反対 ●消費税増税反対(財政再建により消費税引下げ) |
●全国民が納税する制度の確立 ●各種控除を原則廃止し、配偶者控除、扶養控除等を手当に転換 ●「所得税・住民税半減」の実現 ●源泉徴収の廃止 ●消費税は全額、年金・老人医療・介護の基礎部分に充当 |
●法人事業税の外形標準課税化 ●納税者番号制度の導入 ●消費税の使途を限定(年金や介護・雇用・教育等)し、「飲食料品の戻し金制度」を創設 ●消費税率引上げは選択肢とせず |
社会保障 |
●医療保険制度の改正(薬価改定・診療報酬改定) ●公的年金は現役世代の手取収入の約6割を確保 ●確定拠出型年金制度の導入 ●リバースモーゲージ制度の創設 |
●基礎年金・介護・高齢者医療費の半額公費負担 ●厚生年金等の報酬比例部分の積立方式への転換 ●「社会保障基金機構」の設立(社会保障に係る給付と負担を一元化) |
●基礎年金・介護・高齢者医療費の半額公費負担(最終的には全額) ●医療供給体制・医療保険制度の抜本的改革 |
●年金水準の維持 ●基礎年金財源を税方式とし、「国民基本年金」を確立 |
●基礎年金の国庫半額負担 ●厚生年金積立金の計画的なとりくずし ●医療費の国庫負担の拡大 |
●社会保障制度の財政基盤強化 |
●2004年には基礎年金15兆円分を全額国庫負担に ●厚生年金の賃金スライド凍結反対、報酬比例部分60歳支給開始堅持 |
IT革命の推進 |
●低廉・定額性のインターネット通信料金導入を促進 ●情報通信ベンチャーへの支援 | ●通信料金の大幅引下げ(インターネット関連は米国並の低廉定額料金に) | ●通信料金の大幅引下げ(インターネット関連は米国並の低廉定額料金に) |
●インターネット料金を水道料金並に引下げ ●「情報通信関連予算10倍化」政策の実行 | ●全国民に対して携帯型インターネット接続機器の無料配布 | ●生活基盤型ライフラインとして、当面600万世帯にテレビ電話ネットワーク網等を整備 | |
社会資本整備 (公共工事等) |
●複数地域居住(優良田園住宅の整備)推進 ●整備新幹線・在来線の高速化 ●公共事業の効率的・効果的実施(PFI事業の推進) |
●「マンション建て替え促進法」の制定 ●公共事業の透明化・整理合理化 |
●都市再開発の推進 ●公共事業の各種長期計画の抜本的見直し |
●吉野川可動堰は中止を含め見直し ●高速道路は料金無料化を検討 ●公共事業は5年で2割、10年で3割削減 ●「公共事業コントロール法」の制定 |
●公共事業費を段階的に半減 |
●地域の特性とニーズに対応した公共事業の展開 ●住民参加のチェック「機構」の創設 | |
項目 | 自民党 | 公明党 | 保守党 | 民主党 | 共産党 | 自由党 | 社民党 |
行政改革 ・ 地方分権 |
●独立行政法人化の推進 ●公務員制度改革 ●事後チェック型の行政体制の確立 ●市町村合併(当面1000程度)の推進 ●地方の財源基盤等の充実 |
●行政評価法の制定 ●特殊法人等の改革 ●市町村合併(当面1000程度)の推進 ●地方の財源基盤等の充実 |
●国家公務員は10年で25%削減 ●事後的監視・チェック型行政への転換 ●市町村を10年で1000に再編 ●地方への財源移譲 |
●公務員の天下りの規制・禁止 ●特殊法人などの整理・縮小 ●道州制の導入(分権連邦型国家へ) ●自治体を10程度の「州」と1000程度の「市」に再編 ●国と地方の財源比率を「2対1」から「1対1」へ |
●特殊法人の原則廃止 ●地方分権の断行 ●地方への補助金の一括交付 |
●「天下り」に対する規制の強化 ●「地方自治基本法」の制定 ●補助金の縮小、国税から地方税への税源移譲 | |
教育改革 |
●「教育基本法」の再検討 ●「徳育」の実践・充実 ●小・中学校での基本3教科20人授業の実現 ●中高一貫教育の推進(500校程度設置) ●抜本的な大学改革の推進 |
●民間小・中学校設立の推進 ●インターネット学校の設立、デジタル教科書・教材の整備 ●家庭教育重視に向けた労働環境の改善 |
●教育基本法の改正と「教育憲章」の制定 ●中学・高校における社会奉仕活動などの体験教育の拡充 ●生涯教育体制の確立 |
●義務教育における農作業などの実践体験学習期間の義務化 ●学校長の公募性の導入 ●「30人学級」の早期実現 ●国立大学の公立化・民営化 |
●「受験中心」からの脱却 ●子供への有害情報に対する社会の自主的ルールの確立 |
●義務教育の責任は地方から国へ ●教師は「国家公務員教育職」として身分を保証 ●土曜日は家族で道徳や集団生活のルールを学ぶ日に |
●国の教育への関与の縮減 ●小・中・高での学級規模20人化 ●高校の希望者全員入学の実現 ●大学入試におけるセンター試験の廃止 |
安全保障 ・ 国際貢献 |
●適切な防衛力の整備と日米安全保障体制の堅持 ●有事法制の整備 ●防衛庁の「国防省」への移行 ●PKF本体業務の凍結解除 ●国連安保理常任理事国入り |
●ソフトパワー重視の国際平和戦略の推進 ●国連安保理常任理事国入り |
●日米安全保障体制の堅持 ●防衛庁の省への昇格 ●有事法制の整備 ●国連安保理常任理事国入り |
●ARF(アセアン地域フォーラム)を軸とした東アジア地域での安全保障の確立 ●緊急事態時の自衛隊活動ルールの明確化 ●PKF凍結解除 |
●有事立法の策定反対 ●日米安保条約の破棄を目指す ●「思いやり予算」の即時廃止 |
●自立した国家として国際安全保障に対して積極的に貢献 |
●日米安保体制重視からアジア・太平洋多国間安全保障対話強化への転換 ●有事法制の立法化反対 ●PKF本体業務への参加凍結堅持 |
環境問題 |
●「循環型社会形成推進基本法」の制定(資源循環型社会の構築) ●地球温暖化対策への積極的な対応 ●ディーゼル車の排気ガス対策の推進 |
●「循環型」社会の実現 ●「ごみ・ゼロ」社会の推進 ●自動車排ガスの削減強化 |
●排ガス対策の強化(グリーン税制の導入・ディーゼル車対策の強化等) |
●環境税の導入 ●2010年までに新エネルギーのシェアを5%に ●「資源循環・廃棄物管理法」の制定 |
●エネルギーの原発依存からの脱却 |
●自立した国家として地球環境保全に対して積極的に貢献 |
●環境税の導入 ●循環経済法を制定し拡大生産者責任を明確化 |
憲法問題 | ●21世紀にふさわしい国民のための憲法の制定 | ●「新たな憲法」の制定 | ●憲法改正阻止 | ●21世紀を担う新しい憲法の制定 | ●平和憲法擁護 |