企業人政治フォーラム速報 No.8

1996年12月17日発行

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行革の必要性は、もはや党派を超えた共通の認識
─新国会議員と語る会より

13日、今回の総選挙で初当選した議員と語る会が開かれ、新人らしい熱気にあふれた活発な議論が繰り広げられた。以下はその骨子。

■議院立法により議員定数を削減/渡辺喜美議員(自民党)
故渡辺美智雄氏の遺志を受け継ぎ、日本の繁栄を持続させるために何をなすべきかを考え、実行するために立候補。行革の具体策として、議員立法による国会のリストラ、議員定数の削減を提言。

■行政改革のプラスマイナス面について国民の理解を!/棚橋泰文議員(自民党)
通産官僚としての経験か通産官僚としての経験から、現在のタテ割りの制度では、組織として国益を考えることが難しいと実感。前回の苦杯にもめげず、今回再挑戦し初当選。行革はやらなければならない。だが、その前にまずどのような痛みがあるのか、国民に周知徹底することが必要と主張。

■国家の仕組みを変えることが必要/城島正光議員(新進党)
食品産業に従事し、コストダウンへの努力の成果が、円高により一気に無にされてしまうことの無力感を痛感。この状況を脱却するためには国家の仕組みそのものを変えることが必要との思いから立候補。行革について、野党は橋本政権が公約通り実行していくようにいい意味で追い込んでいく必要があると発言。

■財政規模を小さくすることが急務/古川元久議員(民主党)
米国留学中に価値観が変わるほどの強いインパクトを受け、「官僚では今の日本を変えることができない」と、大蔵省を退職し、立候補。行革はもう待ったなし。橋本首相は、強力なリーダーシップで推進していくべきと主張。

■大切なのは国民・国家のためにどうあるべきか/平野博文議員(無所属)
55年体制の崩壊により既成政党のあり方に疑問を覚え、国会では立場的には不利だが、あえて無所属を表明し、立候補・当選。現在の改革論議は、各政党間の勝ち負けばかりで、国家・国民のための議論が抜けていると指摘。

羽田孜衆院議員、地方分権の必要性と政局展開の方向を語る

新進党最高諮門会議の羽田孜氏は、13日の政経懇談会において、近く新進党を離れ、新勢力の結集を図りたいと述べた。
羽田氏は行革について「何より地方分権の理念を打ち出すことが重要」と訴えた。「中央集権体制のままでは、小選挙区で選ばれた国会議員は一人で地元の利益確保のパイプ役に忙殺され、本来の国政に携わることができない。地域が主体性を持つようになれば、無駄な投資もなくなり、国全体の行財政改革にもつながる」と説いた。
離党問題については、「閉塞状況にある新進党のウィングを拡げるために分党は一つの選択肢」「党外に出た者が真剣に行動すれば、新進党にもよい影響が及ぶ」「(今回、党が割れれば)事業部制の会社が分社化するようなもの」とコメントした。また「政治が行うべきメニューは固まっており、野党が提案し複数の政党が集って(改革実現のための)協議会をつくってもよい。これからは健全野党でなくてはならない」と抱負を述べた。


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