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企業人政治フォーラム速報 No.87

PDFファイル版はこちら 2001年 9月20日発行

《平成12年(暦年)分の政治資金収支報告(中央分)のポイント》

企業人政治フォーラムでは、9月13日総務省が公表した、政治資金報告及び政党交付金使途等報告の公表関係について分析を行なった。

● 経団連今井会長のコメント

 2000年の政治団体の収入総額は、一昨年に比べて微増しているものの、政治資金制度改革が行われた95年以降の国政選挙の年で比較すれば最低額となっている。また、企業・団体から政治家個人への寄付が禁止されたこともあり、企業・団体寄付は一昨年の半分以下に減少しており、政治資金の減少傾向が定着してきたといえよう。
 聖域なき改革が求められる中、各政党、政治家においては、透明でクリーンな政治の実現に向けて努力していただきたい。
 経団連としては、企業人政治フォーラムを中心に、企業人の政治への理解と関心を深めるための活動を強化していく。

● 政治資金分析のポイント

  1. 政治団体の収支
  2. 注:政治団体とは、政党、政治資金団体、政治家、資金管理団体及び、その他の団体の総称
    政治団体の収支
    1. 政治団体の収入総額は、1569億円で前年比3.4%増。国政選挙のあった年では、95年の政治資金制度改革以降、最低。
    2. 支出総額は、1745億円で前年比25.0%増で、4年ぶりに支出が収入を上回る。国政選挙のあった96・98年とほぼ同水準。

  3. 寄付収入
  4. 寄付収入
    1. 寄付総額は、355億円で前年比11.0%減。ピーク時(91年958億円)の37%の水準にまで落ち込んだ。政治団体の総収入に占める寄付の割合は、95年の約3割から2割強に低下。

    寄付元別金額の推移
    寄付元別金額の推移
    1. 個人寄付は、85億円で前年比19.8%増。3年連続の増加で95年以降、最高。政治団体寄付は、216億円で前年比18.6%増。企業・団体寄付の減少は、2000年1月より政治家個人の資金管理団体への企業寄付が禁止されたことが影響。
    2. 企業・団体寄付は、54億円で前年比63.0%減と大幅に落ち込み(91.8億円減少)。この結果、ピーク時(90年447億円)の8分の1以下となった。
      尚、政党支部(中央届出分:複数都道府県にまたがって活動する政党支部)への企業・団体寄付は、13.8億円で前年比651.6%増(99年は1.8億円)。

  5. パーティ収入
  6. 131億円で前年比1.9%減も、ほぼ過去最高水準を維持
    パーティ収入推移

  7. 自民党本部の収入
  8. 自民党本部の収入
    (注1)党本部への個人寄付とは、国会議員等からのもの。
    企業役員の個人寄付は、国民政治協会の個人寄付に計上され、企業・団体寄付とあわせて、同協会から自民党本部に寄付される。
    (注2)「その他」は借り入れを含む。借り入れがあったのは、96年(10億円)と00年(20億円)。


    1. 収入総額は、271億円で前年比8.4%増(20億円増)。これは、政党交付金は4億円減も、国民政治協会からの寄付が5億円増加するとともに、20億円の借り入れを行った結果。
    2. 98年(参院選)よりは、20億円弱少ないが、96年(衆院選)よりは10億円多い。

  9. 国民政治協会への寄付
  10. 寄付額の推移
    1. 寄付総額は、57億円で前年比2.9%増も、95年以降の国政選挙の年では最低。
    2. 企業・団体寄付は、前年比微減(36.3億円→35.9億円、4年連続の減少)。個人献金は3.4億円で12.0%の伸び。

  11. 大口の寄付を行った法人等
    1. 年間3000万円を超える寄付を行った企業・団体は、99年の13から10に低下。2000万円を超える寄付を行った企業も、33から23に低下。
    2. 大口寄付を行った法人数が減少した原因としては、
      1. 経済状況の低迷による企業収益の伸び悩み
      2. 政治資金規正法上の寄付の質的制限に抵触する企業の増加
        1. 国・地方公共団体からの補助金・出資を受けている企業
        2. 3年以上継続して赤字の企業
        3. 外資比率が50%以上の企業
      が考えられる。

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