21世紀における真の総合経済団体をめざして

2000年12月20日
新団体設立検討委員会

序 文

本年9月、(社)経済団体連合会と日本経営者団体連盟は、両団体の統合によってこれまで以上に強力な総合経済団体を創設すべく、合同の検討組織を設置し、年内を目途に統合の具体的な構想を取りまとめることを決定した。これを受けて9月22日に新団体設立検討委員会が設置され、以来6回にわたって両団体の統合の基本構想を検討してきた。
その結果、

  1. 統合の理念および新団体の活動理念・行動原理、
  2. 統合の時期および新団体の骨格、
をそれぞれとりまとめたので、以下のとおり報告する。

新団体設立検討委員会
  座長 藤 井 義 弘

  1. 経団連と日経連の統合の理念および新団体の活動理念・行動原理
  2. 統合の理念:何故統合するのか

    1. これまで経団連は経済界が直面する内外の重要課題の解決を図り、自由主義経済の維持・活性化を通じ、わが国経済ならびに世界経済の発展に寄与してきた。
      また、日経連は「経営者よ正しく強かれ」とのスローガンのもとで、労働問題を専門的に扱う経営者団体として設立され、以降一貫して「人間」の問題に軸足を置いて安定した労使関係の構築に貢献してきた。
      両団体は相互に連携をとりながらそれぞれの役割を果たし、戦後の復興、経済の発展、国民生活の改善に大きな成果をあげてきた。

    2. 公正な競争を通じた企業活動は国民所得の源泉であり、経済団体の使命は、企業活動活性化のための環境整備を図っていくことにある。官主導・官依存から民主導・民自律の流れの中で、企業の公正な意見をとりまとめ、各界に対しその理解と実現への協力を求めていくことを通じ、民主主義社会の重要な一翼を担うという経済団体の役割はますます高まっている。
      また、経済のグローバル化の進展に伴い、国際社会における経済団体の果たすべき役割も一層重要となっている。

    3. これらの内外の期待と負託に適切に応えていくには、経済団体自らも、企業を取り巻く経済・社会の構造変化に迅速に対応していく必要がある。
      戦後50年以上が経過し、労働問題と経済問題とを切り離して取り扱うことは、困難となってきた。
      即ち、少子高齢化、個性化、価値観の多様化が進むのに伴い、社会保障制度改革、雇用・労働問題の解決、教育改革をはじめとして、両団体の統一した発言、行動が必要とされる重要な政策課題が増えている。

    4. 以上の観点から、経団連と日経連は統合して新たな総合経済団体を創設し、両団体がこれまで培ってきた経験とネットワークを共有することにより、政策提言能力と実行力を一層高めることとする。


    新団体の活動理念・行動原理:何をめざし、どう実現するのか

    【活動理念】

    21世紀における「民主導の活力ある経済社会」の実現に向けて、わが国の進むべき道を示し、リーダーシップを発揮する。とりわけ、自己責任原則と人間尊重の精神のもとで、自由・公正・透明な市場経済体制を確立し、世界経済の健全な発展に寄与する。

    【行動原理】
    1. 経済界の意見の集約とその実現
      わが国の経済・社会に関する内外の諸問題について、経済界の公正な意見をとりまとめ、その実現に努める。

    2. 各界との対話の促進
      上記の目的を達成するために、政治、行政、労働組合、市民等の関係各界に働きかけ、理解と協力を求めていく。

    3. 企業倫理の高揚
      市場経済体制への信頼をより強固なものとするために、企業の行動規範を制定し、企業倫理の一層の高揚を図る。

    4. 地域経済との連携とサービス活動
      全国の経済団体・企業との連携に基づき、地域経済社会の発展と企業の経営力の向上、労使関係の安定のために必要な実務サービス活動を行う。

    5. 民間経済外交の推進
      海外の経済界、政府および国際機関等との交流を深めるとともに、国際的なルール作りに参画する。



  3. 統合の時期および新団体の骨格
    1. 統合の時期

      1. 新団体の発足の時期は、遅くとも2002年5月とする。
      2. 完全統合に先立ち、2001年5月には会長副会長レベルで連携を図るほか、社会保障等の委員会を合同で開催する。

    2. 法人格
      当面、社団法人とする。

    3. 名称
      日本経済団体連合会
      英文名‥‥Japan Business Federation
      (英文名略称:JBF )

    4. 会員

      1. 会員は、普通会員、推薦会員及び特別会員とする。
      2. 普通会員は、法人会員と団体会員とし、団体会員は業種別全国団体と地域別経済団体で構成する。

    5. 役員等

      1. 副会長 ‥‥‥「10名以上15名以内」とする。
      2. 理事他役員等を置く。

    6. 役員会等
      役員会は、理事会、常任理事会及び会長・副会長会議とする。
      この他、評議員会及び評議員会議長・副議長会議を置く。

    7. 地方団体長会
      都道府県別経営者協会の長で構成する「地方団体長会」を置く。

    8. 広報関係については、引き続き検討する。

    9. その他
      2001年1月以降に、両団体幹部による「新団体設立準備委員会(仮称)」を設置する。

以 上

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