(社)経済団体連合会 21世紀政策研究所 http://www.21ppi.org/ |
インターネット等の活用を含め、新たな時代の公共的意思決定過程における自己統治のあり方につき研究を進めるべく、総選挙公示前約1ヵ月間の実験(朝日新聞社と共同)を経て、8月に独自の「e-デモクラシー」サイトを立ち上げた。同サイトでは「介護保険」や「労働市場」等につき問題提起する一方、公共政策の論点集約の試みとして、研究者や専門家のみならず広く一般に投稿を呼びかけた。また、適宜サイトの改善に努めた。
政策の優先順位について有権者が判断し得るように争点を明確化することが肝要との観点から、各種データを地域分布・時系列変化などを踏まえて分析する「デジタルマップ」の開発に着手し、6月下旬の総選挙に先立って発表した(第12回シンポジウム)。また、総選挙結果についても同「マップ」に基づき分析した(第13回シンポジウム)。
さらに、郵政三事業を民営化すべきとの提言「21世紀に向けた郵政三事業改革−郵便局ネットワーク活用のための民営化−」を取りまとめて発表した(第14回シンポジウム)。
98年以来、文部科学省統計数理研究所と共同で取り組んできた多変量時系列モデルを改良し、「PE(Policy Evaluation:政策評価)モデル」として公開するとともに、日米両国を中心とする経済展望に取り組んだ(第10回シンポジウムならびに12月開催の経済展望講演会)。
活力ある産業社会形成のための持続可能な社会インフラ整備に向け、本年度も引き続き年金・介護・医療、司法制度等について研究を進めた。
介護保険については、各都道府県の介護保険事業支援計画等の調査や、自治体の実務担当者による非公式意見交換会(3月23日)等を行い、問題点の掘り下げに努めた。
司法制度については、「21世紀日本の民事司法制度を構想する」(5月25日)と「民事司法改革へ向けての意見」(1月19日)の二つの提言を取りまとめて発表した。
また、活力ある産業社会を考える上で極めて重要な「IT革命」が経済にもたらす影響などについても、内外の実態調査研究などを行なった。
なお、従来から取り組んできた都市問題の成果として、研究報告「新たな都市生活の条件」(6月30日)を取りまとめて発表した。
大統領選挙前後の米国の内政・外交、中国・台湾・朝鮮半島の動向等を注視しつつ、わが国の外交・安全保障のあり方につき、従来同様検討を進めた。また、中国・台湾との知的研究交流を引き続き行ない、その成果等を適宜発表した(関係会合、研究報告発表などは以下の通り)。
6月7日 | 第11回シンポジウム「WTO加盟後の中台両岸経済関係」 |
8月31日 | ディスカッション・ペーパー「中国保険市場の現状と展望−外資の視点から見て−」 (ホームページにて公開) |
1月19日 | 中国共産党中央党校研究者との研究交流会〔於 東京〕 |
2月15日 | 東アジア地域発展シンポジウム〔於 台北、台湾経済研究院共催〕 |
2月16日 | 田中理事長、陳水扁台湾総統と会見〔於 台北・台湾総統府〕 (会見の概要はホームページにて公開) |
3月26日 | 研究報告「中国の国有企業改革とコーポレート・ガバナンス」 |
政策研究活動の展開に応じ、以下の通り適宜シンポジウム等を開催した。
設立3周年を機に、これまでの研究成果、活動体制等に関する評価を他のシンクタンクに委託した。運営委員会への中間報告(10月)を経て取りまとめられた評価報告書は、研究所の活動を支援いただいている経団連会員企業代表者など関係者に配布した(2月)。
また、研究活動を一層効率的・効果的に推進すべく、理事長を補佐して研究部門の統括等を行う「プログラム・オフィサー」や「e-デモクラシー」サイトの編集・企画等を行う「e-エディター」を新たに選任するなど、活動体制の強化に努めた。