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2001年度21世紀政策研究所事業報告

(社)経済団体連合会
21世紀政策研究所
http://www.21ppi.org/

1.政策研究活動の展開

(1) 新たな公共的意思決定過程の形成
新たな公共的意思決定過程の形成に向け、「e−デモクラシー」サイト等の活用により、引き続き自己統治のあり方につき研究を進めた。同サイトでは公共政策の「議論の場」として、「介護保険とガバナンス」や「構造改革と労働市場」等のテーマで問題提起したところ、研究者・専門家・一般市民の参加を得て、多様な「議論」が展開された。
また、地域社会での民意形成の一助として「e−デモクラシー」活用に前向きな自治体に対し、積極的に協力した。

(2) 争点明確化に向けた分析手段の高度化
有権者の参考に資する争点の明確化に向け、引き続き「デジタルマップ(各種データを地域分布・時系列変化などを踏まえて分析)」による研究を進め、7月下旬の参院選に先立って発表した(第17回シンポジウム)。また、同選挙結果についても「デジタルマップ」に基づき分析した(第18回シンポジウム)。

(3) 経済展望と統計のあり方
これからの経済社会のあり方を考える上で、グローバル・エコノミーの展望が不可欠との観点から、引き続き「PE(Policy Evaluation:政策評価)モデル」による日米両国を中心とした経済展望を適宜公表した(第15回ならびに第19回シンポジウム等)。
また、景気判断に欠かせない統計のあり方につき検討を行ない、日本統計学会にて「経済統計をめぐる問題点−ユーザーの視点から−」(10月2日)と題して発表した。

(4) 経済改革のさらなる推進と社会インフラの一層の整備等
金融・財政政策等の経済改革の推進に向けてさらに取り組み、「道路公団と住宅金融公庫の改革先行プログラム」を提言 (11月15日)するとともに、試案「中小企業金融の円滑化に避けられない金利設定の見直し」を発表した(3月22日)。また、特殊法人改革につき専門家を招いて集中的に研究を進めた。その成果は翌年度に発表予定である。
科学技術の創造性に関しては、先端技術を核とするベンチャー起業の問題点につき、有識者に参加を限定して3回にわたるフォーラム「持続可能な新産業創生のシナリオ」(12月12日、1月17日、2月22日)を開催し、掘り下げた討議を行なった。討議の記録等は翌年度に発表予定である。
介護保険については、「e−デモクラシー」サイトでの「議論」の他に、「痴呆症ケアーの現状と今後の課題」を取りまとめて記者発表した(3月28日)。

(5) 知的研究交流の推進
中国・台湾との知的研究交流を引き続き行なった。主な会合は以下の通り。

4月10日
中国共産党中央党校にて豊田会長講演「21世紀の日本企業のあり方と対中経済協力」〔於 北京〕
12月18日
シンポジウム「台湾金融システム再編とその展望−日本版ビッグバンの経験からの示唆−」〔於 台北、台湾経済研究院共催、台湾行政院経済建設委員会後援〕

2.シンポジウムの開催(開催地未記載の場合は東京)

政策研究活動の展開に応じ、以下の通り適宜シンポジウムを開催した。

4月19日 第15回シンポジウム「経済構造改革」
田中理事長「経済構造改革」
コメント:
本間正明大阪大学大学院経済学研究科教授
西川善文三井住友銀行頭取

7月6日 第16回シンポジウム「不良債権の最終処理と21世紀初頭の日本の課題」
田中理事長「不良債権の最終処理と21世紀初頭の日本の課題」
コメント:
福間年勝「私的整理に関するガイドライン研究会」メンバー
三木繁光東京三菱銀行頭取

7月25日 第17回シンポジウム「争点形成とデジタルマップ-構造改革の四つの背景-」
田中理事長「構造改革は何をめざすのか」
山口研究主幹「構造改革の方向性を示すデジタルマップ分析」
蒲島郁夫東京大学法学部教授「コメントと来たる参院選の焦点について」

9月10日 第18回シンポジウム「参院選結果分析と経済改革の今後」
田中理事長「参院選の選挙分析と構造改革」
山口研究主幹「2001年参院選結果のデジタルマップ分析」
柳澤伯夫金融担当大臣「今後の金融改革」

12月11日 第19回シンポジウム「2002年の政治経済の枠組み」
田中理事長「2002年後半の景気回復の可能性」
来賓講演:麻生太郎自由民主党政務調査会長・岡田克也民主党政策調査会長

12月18日 シンポジウム「台湾金融システム再編とその展望−日本版ビッグバンの経験からの示唆−」
〔於 台北、台湾経済研究院共催、台湾行政院経済建設委員会後援〕
田中理事長「2002年の政治・経済の枠組み」
西村吉正早稲田大学教授「1990年代以降の日本の経験と今後の動向−不良債権処理と金融制度改革−」
佐藤仁美第一勧業銀行台北支店総経理「日本の経験は台湾の不良債権処理にどんな意義をもつか」

頼英照行政院副院長「台湾金融システムの今後の展望」
陳沖財政部次長「金融関連11法の政策背景と目的」
台湾マッキンゼー・ヘクスタ−氏「金融関連11法改正による台湾金融業界の今後の展望」

3.運営委員会の開催

5月10日 第16回運営委員会
2000年度事業報告・収支決算、2001年度事業計画・収支予算、
役員改選(豊田会長再任)、日米経済の動向について

7月16日 第17回運営委員会
新運営委員紹介・理事長再任、不良債権の最終処理について
以 上

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