緊急円高・経済対策に関する豊田会長コメント

1995年4月14日
社団法人 経済団体連合会


  1. 経団連では、景気立ち直りの遅れ、急激な円高、金融システムの不安、株式市場の不振の4つを見据えた総合的な対策を策定するよう期待してきた。
    このたび政府が決定した対策は、円高対策だけでなく、金融問題や証券市場活性化にも配慮した内容となっている。さらに財源について、赤字国債にこだわらず財政政策を活用することにふみきるなど、問題解決に取り組む政府の決意のほどが随所に伺われ、われわれとしても評価したい。

  2. ただ今後の実行に残されている点もみられ、その効果は、今後の具体的な実現にかかっている。
    速やかに公定歩合の大幅な引き下げを実施するとともに、一日も早く大型補正予算を成立させ、今年度予算ともども前倒し執行して内需拡大を図る必要がある。これらを通じ、黒字削減の実をあげることが望ましい。
    また、規制緩和5か年計画の一部繰り上げ実施にふみきった決断は評価したい。今後は、既存の計画にもられた項目はもとより、内外の要望に応え項目の積み増しを行い、その速やかな実行に努めるべきである。
    われわれとしても、出来る限りの協力をおしまないつもりである。

  3. わが国の政策努力が実を結ぶためには、米国側の協力も不可欠である。政府は、米国に対しても、競争力の強化による貿易赤字削減への努力、財政赤字の削減や、協調介入への積極的な取り組みなど、適正な通貨価値の実現に強い決意で臨むよう、さらに強く働きかけるべきである。


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