米国大統領選挙結果に関する豊田会長コメント

1996年11月6日
(社)経済団体連合会


 今回米国大統領選挙は、21世紀までの世界のリーダーを決めるものでもあり注目していた。また、選挙戦中に候補者がどのような問題を取り上げるか、見守ってきた。

 クリントン大統領は、4年前から財政改革、医療保険制度改革などの様々な改革に取組み、国民に米国が直面している課題を提起してきた。もちろん、この全てが解決された訳ではないにしても、そのような試みが現在の好調な経済の一因ともなり、今回の勝利に結びついたのであろう。また、米国国民は引き続き改革に取り組んで欲しいとの期待を、今回の選挙で表明したのではないか。

 今回の選挙では外交問題は争点にならなかったが、日米関係を含む対アジア政策についての議論を聞きたかった。日米安保体制は、アジア地域の安定にとって不可欠の要素であり、現在進められている両国政府の話し合いがこの関係をより強固なものとすることを期待したい。
 他方、日米の通商問題が政治問題化しなかったことは良かったと思う。こうした背景には日米首脳が頻繁に対話を交わし、信頼関係を構築したことがあげられ、今月末にフィリピンで開催される5回目の首脳会談の成功を期待している。
 クリントン大統領には、今後ともアジア太平洋地域の国際協力や国際社会の安定と平和維持に、引き続きリーダーシップを発揮していただきたい。また、WTOを柱とする自由貿易体制の強化に尽力していただきたい。

 日本としては、規制撤廃・緩和、財政改革、税制改革などの構造改革を大胆に進めていく必要がある。

以  上


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