花村相談役ご逝去に関する豊田会長コメント

1997年1月5日
(社) 経済団体連合会


 突然の知らせで、非常に驚いている。

 昨年末12月27日の経団連の仕事納めの席でお会いした時も、ふだんと変わりなくお元気なご様子で色々話し合ったばかりである。

 花村さんは歴代の会長の下で、経団連活動を陰で支えてこられ、今日の経団連を築きあげた方だ。日本経済をめぐる諸情勢が大きく変化する中で、高い視野に立って、節目節目で適切な助言と行動をなされ、日本経済の発展に大きな貢献をされた。

 私が経団連の会長に就任してからも折に触れ、重要な問題についてご相談したが、いつも豊富な経験と高い識見に基づいた、的確な助言を頂いてきた。社会貢献にも経団連創立以来、熱心に取り組まれ、その活動を支援するために経団連として財界からの募金を始められた、と聞いている。経団連の社会的役割を高められた人でもある。

 海運造船疑獄の反省から、政治献金の斡旋を行われたのも、政治と経済界の関係を健全で正常なものにしたいという強い意思の表れであったと思う。

 明治人の気骨を持った信念の人というのが、私の率直な印象である。今後とも色々ご相談させて頂きたいと考えていたので、誠に残念でならない。

 心からご冥福をお祈りしたい。

以 上


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