年金審議会意見書に関する伊藤副会長・財政制度委員長コメント

1998年10月9日
(社)経済団体連合会


  1. 少子・高齢化の進展や経済情勢の混迷の中で、国民は将来に対する不安感を募らせている。国民が将来の老後生活に対して安心感を持てるように、公的年金制度の負担や給付水準、財源のあり方など、抜本改革のビジョンを明らかにすることが重要である。従って、早急に国民の納得する結論が得られることを期待する。

  2. この観点から今回の意見書を見てみると、制度全体の根本的な見直しについて、意見の一致を見るに至らず、特に、基礎年金の間接税方式化、厚生年金の報酬比例部分の積立方式化の議論が先送りされたことは誠に遺憾である。

  3. 一方で、企業年金の選択肢として、確定拠出型の導入が提言されたことは評価できる。確定拠出型企業年金については、

    1. 様々な年金制度や退職金制度を前提に、労使合意に基づき、拠出割合などを自由に設計できること
    2. 加入者個人にとっても、選択の幅が広く、ポータビリティが高い制度であること
    3. 税制優遇措置を伴うものであること
    などを考慮し、できる限り早期に導入されることを望む。

以 上


日本語のホームページ会長コメント目次