記者会見における今井会長の発言より

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1999年9月13日
(社)経済団体連合会

【景気・補正予算】

記者:景気の現状と補正予算の必要性について、どう考えるか。

今井会長:景気は明らかに底を打ち、基本的には回復基調が確認された。しかし、資本ストックが過剰気味で、民間設備投資が今年度中にはプラスには転じないだろう。まだ自律的な回復軌道には乗ってはいないため、公需による景気刺激策が必要である。来る臨時国会において編成する第2次補正の規模は、15カ月予算で98年度と99年度が支出で同じになる規模にしていただきたい。真水で4兆円程度必要だ。同時に、構造改革に資するものを中心にするといった、質の問題にも配慮していただきたい。
また、為替と長期金利の上昇傾向が懸念される。政府には、資金運用部を通ずる国債の買い入れと、短期も含めた国債の多様化を行なっていただきたい。

【円高】

記者:現在の円高は、警戒・危険水域に入っていると考えるか。

今井会長:110円割れは大変懸念される。政府には、あまり急激な円高にならないよう随時介入することを強く求めていきたい。

【長銀売却問題】

記者:売却先候補の外資系企業から、買収が実現した場合には、今井会長を役員に迎えたいと要請されているとのことだが、この問題をどう考えるか。

今井会長:役員就任の要請は確かに受けたが、まだ態度を決めていない。
できるだけ早く、国の負担を小さくする形で売却先を選んでほしい。売却先は金融再生委員会が判断することだ。

【金融再編】

記者:富士・第一勧銀・興銀3行の統合など金融再編の動きに対してどうか。

今井会長:3行の統合は非常に評価されており、各行とも株価が上がっている。その理由は、顧客別に事業編成が行われるためである。統合の前に、法制・税制がグローバル・スタンダードの観点から改革され、統合する企業が不利にならないようにする必要がある。
他方、産業界にとっては、業界再編の一つの引き金になる良いチャンスである。金融再編により、資金調達の面で厳しい局面に立たされるので、各企業はバランスシートをきれいにする努力を続けるべきである。

【むつ小川原開発】

記者:政府・自民党は経団連の責任を迫っているようだが、会長の考えは。

今井会長:微妙な時期に来ている。原則は苫東開発と同じ処理になると思う。各金融機関は相当大きな債権放棄をせざるを得ず、重大な機関決定を下さねばならないが、準備期間が十分にない。間に合うのか、憂慮している。
経団連としては、これまで通り、管理、監督、土地売却など、むつ会社が今後も破綻しないよう、最善の努力を続けていく。

以 上

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