九州・沖縄サミットに関する今井会長コメント

2000年7月23日
(社)経済団体連合会


25回目、今世紀最後、という節目のサミットであったが、森総理が議長として強いリーダーシップを発揮され、多くの重要な課題について、G8の合意に導かれたことを評価したい。特に、唯一のアジアの代表として、アジア各国の立場、考えを事前によく聞き、それをサミットに反映させた点がよかった。

今回のサミットでは、ITが焦点の一つであった。G8がIT革命の推進を「デジタル・デバイド」ではなく「デジタル・オポチュニティ」として捉え、世界に向けた前向きなメッセージを発信することができたと思う。特にODA等を通じ、途上国がデジタル・デバイドを解消するための情報通信基盤の整備や、人的開発の支援等の面で、わが国がイニシアチブをとることをコミットした意義は大きい。

また、NGOセンターの開設や森総理御自身のNGO代表との会見など、NGOとの対話に積極的に対応された意味も大きい。こうした姿勢は、国際的な評価を得たと思う。

WTO新ラウンドの包括的交渉開始の期日について、G8の合意が盛り込まれたことを経済界として高く評価したい。

先進主要国の首脳が一堂に会して、世界の最重要課題について直接議論し、問題認識と政策理念を共有する重要性は、今後ますます高まるだろう。森総理には、サミットの議長国として、合意事項の着実な実施に向けて、国内外で一層のリーダーシップを発揮して頂きたい。

沖縄でのサミット開催は、亡き小渕前総理の並々ならぬ熱意と行動力なくしては実現しなかった。戦後の歴史の一つの節目として、また、沖縄の今後の発展の起爆剤として、サミットを必ず成功させるという小渕前総理の遺志が実り、成功裏に終了したことは、大変感慨深い。経団連としても、引き続き沖縄振興に積極的に協力していきたい。

以 上


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