第15回東富士フォーラム後の記者会見発言のポイント

2000年7月14日
(社)経済団体連合会

○ 辻副会長(今回のフォーラム担当副会長)

今回は、教育と憲法という難しいテーマも扱ったが、議論は意義深かった。特に憲法第9条第2項はよく議論すべき問題であると改めて感じた。
経済問題では、ITを中心に議論したが、これからの日本を引っ張っていくという点で意見の一致をみた。
経済団体の統合問題についても議論した。ボールは日経連側にあり、8月上旬の日経連の夏季セミナーで議論されるようなので、経団連はその結論を待つ立場にあることが改めて確認された。

○ 今井会長

【ゼネコンの今後、雇用への影響】

時価会計の導入により、営業用不動産の含み損はすべて表に出るので、相当厳しくなることが予測される。90年代前半に雇用確保に貢献したゼネコンが、2000年代に入り、構造改革の試練を迫られている。これはやむないことだが、雇用にどう配慮していくかは極めて重要である。

【ゼロ金利解除】

フォーラム参加者全員が今やるべきではないとの意見であった。本日の閣僚懇談会でもいろいろと意見が出たようだが、(解除実施の)確率はかなり低くなったと思う。景気は上向いているので、焦らなくとも、近い将来に解除するチャンスはあると思う。

【政府税調中間答申】

時間の関係で要約にしか目を通していない。要約は問題点を指摘するにとどまり、具体的な議論はすべて今後の検討に委ねているようだ。

【そごう問題と新生銀行の経営方針】

新生銀行の経営方針に対する批判は、誤解に基づくものがある。金融再生法には、2次ロスが発生した際のロスシェアリングの規定がないため、3年間で20%毀損した場合には国に返せる取り決めになっている。新生銀行はその通りに申請したのであって、手続き上問題はない。また、新たな税金投入が行われたわけでもない。新生銀行にこうした特約をつけたのが間違いだという意見もあるようだが、(国有化された長銀を)売却できなければ、国費の投入額は相当な額になっていた。過去に溯って批判しても仕方がない。

【憲法改正】

私自身は実態に合うように憲法を改めるべきだと思っている。(憲法の条文を)素直に読むと、今起こっている諸問題に対処できない。

【日経連との統合問題】

フォーラム参加者から、仮に統合する場合は、経費面での合理化が必要であるとの意見があった。私自身は、実現したとしても、当面、大きな変化(を伴うこと)はない方がよいと思っている。

【雪印の問題】

東海村の原子力事故との絡みで、品質管理が重要との意見があった。食品産業が安全衛生を第一に考えること、原子力関係の施設が安全管理を最重視することは、産業人として大前提である。
こうした点について、経団連内部で改めて注意を喚起したい。

以 上

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