記者会見における今井会長発言のポイント

2000年8月7日
(社)経済団体連合会

【日経連との統合問題】

 私が投げた「日経連・経団連の統合」というボールを日経連が投げかえしてくれた。統合に関するレポートをまとめられた藤井委員長のご苦労を称えたい。決断された奥田会長はじめ日経連幹部の方々に敬意を表したい。
 奥田会長より会談の申し入れをいただいており、近日中に会う。奥田会長から直接、日経連側の結論をお聞きした上で、9月に入ってから、副会長、評議員会議長・副議長、名誉会長の意見も聴きながら、経団連としての結論を出したい。
 統合を決めた最大の動機は、社会保障問題の重要性である。社会保障給付額の65%を企業と勤労者が半々で負担している。今後、少子高齢化が進むので、今の制度を放置したままでは、25年後には、勤労者と企業の負担は3倍になってしまう。経団連と日経連が社会保障について一緒に提言し、働きかけた方がより効果的であり、インパクトが大きい。
 もう一つの動機として、経団連と日経連の統合の話が進めば、他団体の見直しへのインパクトになることが期待できる。現在、政府は特殊法人、公益法人の見直しを検討している。業界団体の数は多いし、業界団体に支払う会費の方が、経団連ほか経済団体に支払う会費よりもはるかに多いと聞いている。
 統合の時期については、できるだけ早くやりたい。急ぐべきだとは思うが、拙速でやってはならない。両団体ともメンバーが多いので、機関決定には総会を開かねばならない。どういうテンポになるかは、今は予想できない。これからよく話し合っていきたい。
 私は、これまで日経連側が検討しやすいようにメッセージを3点送ってきた。第1に、日経連の地方組織は連合とともに雇用創出に取り組むなどの活動をしてきている。こうした大切な組織は残すべきだ。第2に、日経連の対外活動の中で、連合とILOに参加しているが、これも継続すべきだ。第3に、双方とも事務局は相当な人数になるので、統合後、ただちにリストラは考えていない。この3点については、今も考え方は変っていない。

【ゼロ金利解除】

 まだゼロ金利を解除する時期ではないし、解除してもらいたくないと思っている。特に、そごう問題が出てから、日本は一旦決まったことを国民感情で覆す国、ルールと感情がごちゃまぜになる国との印象を外国に与えたと思う。それが今の円安、株安につながっている。こうした問題について、もう少し先が見えるまで、金利を上げるのは早い。
 しかし、日銀が決めるべき問題であり、いつゼロ金利が解除されてもおかしくない状況にあるので、ある程度覚悟はしている。ただし、仮に実施する場合には、超金融緩和政策の継続をはっきりと意思表示していただきたい。

以 上

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