第37回四国地方経済懇談会後の共同記者会見における今井会長発言要旨

2001年1月30日
(社)経済団体連合会

【景気】

景気は、若干踊り場の様相はあるものの、緩やかな回復軌道にある。統計が経済実態に追いついていないので、2000年7-9月、10-12月のGDP成長率はよく出ないかもしれないが、回復基調にあることは間違いない。2000年度、2001年度とも1.5%前後の成長になるのではないか。
今求められる最善の政策は、たとえ一時的な痛みを伴っても構造改革を断行し、国民の信頼を取り戻しながら経済活性化を図ることである。
なお、景気回復の懸念材料は、米経済の減速と日本の株価である。

【株価】

株価が上がらない理由は2つある。第1に、個人投資家と外国人投資家が日本の将来に不安を抱き、売り越していることだ。第2に、時価会計の導入に伴い、企業に株式持合解消の動きが出ていることである。
米国は、金庫株の解禁、401Kの導入、自己株消却などに加え、拠出に優遇措置を伴うESOP(企業拠出のみによる従業員持株制度)の導入等さまざまな手を打って、70年代終わり頃の株価低迷から脱却した。日本も制度を変え、層の厚い株式市場を構築すべきだ。日本は長年、間接金融中心できたが、長期的な資本市場対策を講じて、株式市場を通ずる資金調達を拡大しなければならない。個人資金がもっと入るよう、リスクある投資への優遇措置をとるべきだ。こうした制度改正の一環として、昨年末に金庫株の解禁を提案した。今年度末には間に合わないと思うが、長期的な視点が大事だ。
なお、政府の直接介入については、システミックリスクのおそれがある場合を除いて行うべきではない。今はそういう状況にはない。財投改革で郵貯資金等の運用が必要になっているが、透明性を確保しつつ、しっかりした投資機関に任せるべきであろう。

以 上

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