記者会見における今井会長発言のポイント

2001年5月14日
(社)経済団体連合会

【小泉政権に対する評価】

 聖域なき構造改革は経団連の考えと同じであり、全面的に支持する。小泉総理の具体的な政策はまだ不明な点が多いが、現実的に課題を処理しようとしているように思う。できるものから実行してほしい。金庫株、確定拠出型年金の導入、証券税制の改正などは早く実現してほしい。特殊法人も改革が必要だが、時間はかかろう。

【郵政三事業のあり方】

 公社化後に懇談会で検討するという手法は正しい。全国の郵便局の機能や利便性は国民の評価するところであり、優位な立地を活用すべきだ。経団連としては、郵便事業への民間参入を望んでいる。郵貯、簡保については、そのまま民営化するには規模が大きすぎる。

【30兆円の公債発行限度と補正予算】

 2002年度30兆円という枠は、厳しい目標だが達成できないものではない。公共事業のような従来型の対策では日本経済がよくならないことは明らかだ。構造改革による雇用不安への対応なら補正もありうる。構造改革で数年後のしっかりした成長基盤を確保することが、世界における日本の責務だ。

【私的整理のガイドライン】

 不良債権の最終処理が必要という点では金融当局に賛成であり、協力する用意がある。ただ、INSOL8原則のようなものを作るのであれば、経団連は関係なくなる。金融機関と意見交換した上で判断し、柳沢大臣からの協力要請に回答したい。要は帳簿上の対策ではなく、過剰生産力の削減等で健全な企業が足をひっぱられないようにすることだ。

【日債銀と長銀への資本注入】

 金融危機管理審査委員会当時、日債銀については債務超過ではないかと懸念し質問もしたが、当局は破綻懸念なしとの立場であった。長銀については情勢変化で破綻に至ったが、資本注入時には破綻懸念はなかったと思う。

【日米間の新たな政策対話の枠組み】

 官民合同の新たな対話の枠組みについては、未だ詳細は不明だが、4月の日米合同運営委員会でも話題となった。日米の経済界は官と対等の立場で協力することとしており、財界人会議の意見が政策に反映されることを期待している。

以 上

日本語のホームページ会長コメント目次