記者会見における今井会長発言のポイント

2001年6月11日
(社)経済団体連合会

【経済成長と構造改革】

[ 本日発表されたGDP速報によると、1-3月期は対前期比マイナス0.2%、年率マイナス0.8%となったが、これは ] 米国経済の減速が東南アジアに影響し、好調だった日本のITの生産や設備投資にも影響が出てきたのが原因であろう。
2001年度の成長は、かなり厳しくなると見るべきだろう。政府支出の減少はマイナス要因となり、外需もおそらくプラス要因にはならない。消費と設備投資がかなり頑張らないと、プラス成長すら難しい。
しかし、対症療法的な刺激策が瞬間的にしか効果がないことは実証済みであり、構造改革を進めるのが大事だ。「聖域なき構造改革」をやることにより、日本の諸制度が生き返る。金融、雇用両面で手は打たれている。政府が社会保障、財政等を包含したグランドデザインを示し、国民、企業の将来に対する不安を払拭して、消費、設備投資を本格的に回復させることが最も大事である。
経済財政諮問会議の目指す方向性は正しい。これから出てくる骨太の対策に期待している。2〜3年かけてもすべての対策が終わることはないだろうが、日本の構造を変えるために必要な改革だ。総理のリーダーシップで改革を断行してもらいたい。

【特定財源の見直し】

財政的に余裕があれば、暫定税率を下げるのが本筋だと思う。しかし、平成14年度予算編成は厳しいので、一部財源を都市の渋滞緩和など交通事情の改善に用いることはやむをえないのではないか。

【日ロ経済関係】

今回の訪ロ(5月30日〜6月10日、対ロシア政府派遣経済使節団団長として訪問)で、かなりロシアの実態がわかった。プーチン大統領の改革にかける情熱もよくわかった。民主主義と自由経済に基づく強い社会を創ろうというのが今のロシアの基本的な考え方であり、プーチン大統領のリーダーシップの下、様々な改革が行われている。大統領と立法府との関係も改善されている。
ただ、ロシアは投融資に100%保証はつけないようなので、リスクを回避しながら貿易投資を伸ばす方法を考えなければならない。また、ロシアはこの10年間、設備更新投資をまったく行っていないので、外資以外の設備は老朽化が著しく、ビジネス・チャンスはある。そこで、投資促進機構の創設と日本製品の見本市の開催を提案したところ、大統領の賛意を得た。

以 上

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