記者会見における今井会長発言のポイント

2001年7月9日
(社)経済団体連合会

【景気認識】

悪化しており、回復までには時間がかかるかもしれない。消費が芳しくない。輸出の鈍化で在庫が積みあがって、生産が減少している。日銀短観は企業収益が今年度下期に回復すると見ているが、厳しい。ただし、悲観することはない。

【補正予算】

平成14年度の国債発行額を30兆円に抑えるという大枠は崩れないだろうから、いかに効率的な本予算を組むかが今後の焦点になる。
9月に発表される4-6月期のGDP成長率の統計がマイナスと出たら、補正予算の論議が起こる可能性はある。ただし、編成されるとしても、従来型の大型公共事業ではなく、構造改革に即効性のある必要最小限の補正予算になるのではないか。

【不良債権処理】

景気回復のためにも、サプライサイドの強化が必要だ。バブル崩壊後引きずってきた銀行の不良債権、事業会社の過剰債務、過剰設備を早く処理し、これから伸びる産業分野に経営資源を移していかなければならない。一刻も早く不良債権を処理しなければならず、必要なら公的資本注入を行ってもよいのではないか。また、規制改革の推進や教育訓練の充実など、雇用に関するセーフティネットを拡充することも必要である。

【金融政策】

日銀は物価下落が止まるまで量的緩和を続ける方針だが、何年も続けられるものではない。早急に打開策を打ち出してもらいたい。もう少し資金供給を増やすのも一案だ。

【特殊法人改革】

特殊法人に使われている予算は大きく、小泉改革の目玉になる。特殊法人改革推進本部が発足しており、今後、抜本的な見直しが急ピッチで進むだろう。特殊法人改革の最大のネックは、公務員制度である。

【地球温暖化問題】

米国抜きで京都議定書に批准しても、実効性のある結果は得られない。引き続き米国を引き込む努力を続けるべきだ。
また、日本の削減実績では運輸・民生部門が芳しくないので、対策が必要だ。産業界は自主行動計画の下、成果をあげている。目標達成のために、新たに産業界に規制が課されれば、かえって日本の産業競争力低下につながる。

以 上

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