第16回東富士フォーラム後の記者会見における今井会長発言のポイント

2001年7月13日
(社)経済団体連合会

【小泉内閣】

日本は変わり目にきている。これからの50年は、国家が目標を定め国民が均一に努力して、右肩上がりの経済成長を続けてきた過去の50年とは異なる。官から民へ主役が完全に移る。
中央省庁改革で、総理が民間人等のブレーンを活用し力を発揮できる体制が整った。そうした時に大変リーダーシップのある総理が出てきた。小泉総理は自分のやりたいことをはっきりとした言葉で表現している。大胆な改革が期待できる。参院選で総理の立場がどうなるか注目している。立場が強化されたら、おそらく次の選挙までの3年間、全力を挙げ、スピード感をもって改革を進めるだろう。

【外国人の受け入れ問題】

人口が減少する中、日本の針路をどうすべきかという長期的な視点から、フォーラムで外国人の受け入れ問題を議論した。日本の閉鎖性は、外国の優秀な人材が日本で活躍する障害になっているという意見が多数出た。
もっとも外国人の受け入れといっても、3Kに相当するような仕事をしてもらうためとか、単純労働力を補うためという意図はまったくない。世界の優秀な人材に来てもらい、日本社会に定着してもらいたい。
日経連との統合後、新団体で移民問題に関する結論を出したい。

【憲法問題】

今後の50年において日本の目標をどう位置付けるべきかを考える際に、国民一人一人が憲法を考える必要があるということを議論した。
戦後50年間、日本国民は国家のあり方を考えるよりも、経済的な繁栄を追求し続けてきた。今後の50年は、国家が目標を定めて、国民がそれを実行するのではダメだ。全国民が問題意識を持って国のあり方を考えるべきである。もちろん経済界もある程度は議論する必要があるが、経団連として議論の叩き台をつくる考えはない。

【対中ODA】

対中ODAについてフォーラムで意見交換があった。環境目的に限って供与すべきとの意見や、中国国内の東西格差を補う必要などもあるので用途を限定すべきではないとの意見も出た。
もっとも、この議論は中国だからというものではない。ODAも聖域なき構造改革の対象になると思われるので、経団連としても政府に意見が言えるように勉強しておく必要がある。

以 上

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