記者会見における今井会長発言のポイント

2001年11月30日
(社)経済団体連合会

【失業率・雇用対策】

構造改革の過程で一時的に失業が出るのは避けられない。失業した人を教育・再訓練し再雇用につなげることに重点を置くべきである。先に成立した補正予算でも雇用対策に最重点が置かれている。目先の数字に一喜一憂することなく、暫く我慢して構造改革を進めるべきだ。

【連結納税制度】

来年通常国会で法案が成立し、平成14年度決算に間に合うとの理解でいる。なお、(連結)付加税には反対である。減収は付加税以外で賄うことで、財務省側とだいたい合意しており、付加税導入は見送られたと思っている。

【医療制度改革】

医療制度改革を考えるにあたっては、保険料と税の負担割合を議論せざるを得ないが、今は税の議論ができる政治状況ではない。その制約の中で、今回政府・与党の医療制度改革大綱がまとまった。世界に冠たる国民皆保険制度を持続可能なものとするために、十分であるとは言えないが、必要な一歩は踏み出せたと思う。
なお、診療報酬ついては引き下げの方向が示されたのみで、引き下げ幅の明示がなかった。物価下落の歯止めがきかない中、医療費を抑制しようとの動きがあったことは、一歩前進と評価している。

【コーポレートガバナンス法案の衆議院可決・株主代表訴訟】

今の株主代表訴訟の一番の問題点は、取締役個人が責任を負わされ、無限の賠償責任を問われるという制度上の欠陥があることだ。今回の法案で、取締役の責任の限度額を定められるようになること、会社が訴訟に参加できる道が開けたことは評価できる。

【日本国債の格付け低下】

非常に遺憾であるが、不良債権処理が進んでいないことに対して、諸外国も大変厳しい見方をしている。国と地方を合わせた債務残高が666兆円で、GDP比の130%を占める、先進国中最大の財政赤字国であることは事実である。マーケットの警鐘と受け止め、政府も民間も構造改革を進めるべきだ。

以 上

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