記者会見における今井会長発言のポイント

2001年12月26日
(社)経済団体連合会

【今年1年の回顧】

 今年は経済的には良くない1年であったが、政治社会面を見ると、良い兆しが見えてきた。小泉総理は、省庁再編の目玉である総理権限の強化を最大限に活用し、リーダーシップを発揮している。日本は今、国家主導型の国家から、個人主導の国家へとパラダイムシフトしている。小泉改革はこの時代の流れに沿ったものである。国民もそれを敏感に感じ取っていて、たとえ痛みを伴うものであっても、改革を支持している。

【来年の経済展望】

 2002年度は、今年度よりは良い方向に向かうと思う。
 懸念されるのは、第1に金融問題である。今の状態は98年秋に似通ってきた。しかし、98年当時にはない法律、仕組みも整っており、経験もあるので、システミックリスクにつながる事件は起こらないだろう。
 第2の懸念は円安の急速な進行である。あまりに急激な円安は日本国債に対する信認を失墜させ、長期金利の暴騰を招く惧れがある。
 株価については、外国人投資家の一番の関心事である不良債権処理が重要だ。ただし、整理が急すぎると問題がある。金融機関には引当金を積むことが求められている。
 企業破綻については予断を許さない。金融機関の不良債権は、裏を返せば、企業の過剰借入、過剰設備であり、これらが整理されない限り不良債権問題は解決できない。
 ペイオフについては、地方公共団体をはじめとして定期預金から普通預金への資金の移動がほぼ終わっているので、凍結を解除しても問題はない。再延長の必要はまったくない。

以 上

日本語のホームページ会長コメント目次