第38回四国経済懇談会後の記者会見における今井会長発言のポイント

2002年1月30日
(社)経済団体連合会

【田中外相辞任等】

この大事な時期に、国会審議が止まったことは大変残念である。ODAなどを行っていく上でNGOは大事だ。政府の悪口を言ったから参加を認めなかった、というのはあまりに狭量だ。外務省は早く自己改革を行い、外交のプロとして、身を挺して外交にあたってもらいたい。
田中外相の辞任については、国会正常化のためには、ある意味やむをえなかったのではないか。辞任で小泉人気に陰りが生じることが心配だ。今後の展開はわからないが、これが政界再編の大きな流れにつながっていくのかどうか、注意深く見守っていきたい。

【構造改革】

現在、日本は大きなパラダイム・シフトの渦中にあり、経済も国主体から民間主体へと変化している。小泉内閣の構造改革は、こうした時代の要請に応えるものだ。
主役たる民間は、従来のように国に何から何まで面倒をみてもらうのではなく、自立、自助でやっていかなければならない。それには当然痛みが伴う。3年程度はマイナス成長が続くかもしれない。しかし、その先は、経済財政諮問会議が「中期展望」で示している1.5〜2%程度の潜在的な成長を持続できるだろう。

【株価】

大変憂慮している。まだ銀行、企業が持ち合いで株式を保有しているが、時価会計なので企業業績に影響が出る。株式買上機関などの活用が必要である。また、外国の証券会社があまり無秩序に先物取引をすると、市場にはマイナスになる。証券取引等監視委員会は十分にチェックしていただきたい。

【金融】

4月からのペイオフ凍結解除を控え、金融機関の流動性に影響が出てくると、非常に困ったことになる。地銀、都銀の流動性に問題が生じた場合、日銀は躊躇せず担保融資を行うべきだ。万一、システミックリスクに発展する惧れが出てきたら、すぐさま金融危機対応会議を開き、15兆円の枠を使って公的資金をためらうことなく注入すべきである。

【失業】

6%を超えることはありうるかもしれない。その場合は、手を打たなければならない。失業を出さない対策も大事だが、むしろ失業が生じても、教育・訓練で新たな職場に労働移動させるための新しい制度を創る方が重要である。

以 上

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