記者会見における今井会長発言のポイント

2002年3月11日
(社)経済団体連合会

【景気の現状と見通し】

政府・日銀の市場対策、金融緩和などが複合的に効いて、株式の需給関係が好転した。これが債券高、円高を招きトリプル高の状況となったが、非常に良いことだ。時価総額も増大し、金融機関、企業の決算に好影響を与えている。3月危機は脱したと思う。
しかし、実体経済を見ると、設備投資が極めて大幅に落ち込んでいる。機械受注を見る限り、設備投資の早期回復は厳しい。実体経済がよくなるのはもう少し先であろう。
政府には、第2次補正と平成14年度予算の執行をできるだけ早く、きちんとやっていただきたい。なお、今度の税制改正は、空洞化している税制を正すものである。これと大きく矛盾する、税を使った景気刺激策はやるべきではない。

【春闘】

日本の産業空洞化の最大の問題は、円高による賃金上昇である。業績の良し悪しは、賞与に反映させるべきだ。雇用維持協定は、雇用維持のため、労使が互いに努力目標を示し合うものである。法律で縛られる協定ではないし、縛るべきでもない。

【証人喚問】

鈴木議員は、非常に良い面と悪い面を持っている。外務省をいろいろな面で応援してきたことは良い面だが、あまりに干渉しすぎたというのは悪い面だ。プラスマイナスでどちらが大きいかということだろう。世論は悪い面の方が大きいと見ているのではないか。出処進退は、本人と与党がどういう判断を下すかである。

【選挙制度】

中選挙区制度では、社会保障や外交など、それぞれの立場を話して当選できたが、小選挙区制度では地元で一人しか当選しない。今、その悪い面が出ているのではないか。もちろん小選挙区制度にもよい面はあるので、もう一度、国会で抜本的に話し合う必要があるのではないか。

【JAIDO((株)日本国際協力機構)】

設立目的は、黒字還流と途上国の経済発展への寄与であり、それなりに成果を挙げ、途上国からは感謝された。しかし、第3セクター的な形態は責任の所在がはっきりせず、問題があった。途上国への支援については、国はカネ、民間は知恵を出すべきだ。会社形態でやるべきではない。

以 上

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