記者会見における奥田会長発言のポイント

2002年7月22日
(社)日本経済団体連合会

【経済成長】

今の状況からすると、日本経済が高成長を行うことは難しい。中国などへ労働集約的な産業が移る一方で、欧州、米国への頭脳流出も進む。研究者に日本に来てもらうためには、教育改革、給与、生活環境の改善などの環境整備が重要である。
産学官の連携による先端技術の創造、新規需要、新規事業を興すための環境整備が必要である。
金融機関をはじめ企業が自己改革を進めるのは当然であるが、労働組合、家計においてもバブルの清算を行う必要がある。

【15年度予算】

平成15年度予算編成はこれからであり、どうなるかわからない。新規国債発行額30兆円枠は、平成13年度、14年度のことであり、15年度については、言及されていないと認識している。

【税制改正】

日本経団連は減税先行型がよいと考えている。現在、経済財政諮問会議、政府税調、自民党税調が多少ニュアンスの異なる政策を出している。自民党税調だけが主であるというわけではないが、手続き上、最終的には党税調を経なければならない。

【株価】

株価の予想は不可能だ。ただ、株価水準が日本経済の構造、特に金融に大きな影響を与え、経済をおかしくしないよう対処しなければならない。

【為替】

130円、135円の時のように外需で日本経済を引っ張っていくのは難しいが、110円から120円の間では、輸出企業はかろうじて黒字を出せる水準ではないか。

【ペイオフ】

現在は株価も1万円そこそこで、地場の金融機関の整理統合も続いているところであり、まだ判断できない。8月、9月に世界情勢がどうなるかもわからない。そうしたことを見てから判断する必要がある。

【雇用保険】

弾力条項については、企業、個人とも負担が大きいが、決まったことなので受け入れざるをえない。それ以上の料率引き上げについては、社会保障全体の改革パッケージを国民に示し、その中で決めるべきだ。引き上げは回避するのが望ましい。

【小泉総理の評価】

改革を実行するスピードが大事だ。進捗率で見て10%から15%くらいまで、じわじわとスピードが上がってきている。2006年頃までには、70%から80%の成果を見せていただきたい。

【企業倫理】

まずは三井物産から詳しい話を伺ってからであり、日本経団連としての措置を決めるのは、それからだ。逮捕された社員の扱いについて結論が出て、何らかの申し出があれば、会長・副会長会議に諮り対応を決める。

以 上

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