2003年1〜3月期GDP統計速報に関する奥田会長コメント

2003年5月16日
(社)日本経済団体連合会


2002年度の実質成長率は、年度前半の外需の伸びに支えられて政府実績見込みを大きく上回った。しかし、名目成長率は2年連続マイナスであり、景況感の改善にはほど遠い情勢である。
特に、本年1〜3月期は、イラク情勢の緊迫化に伴い外需が低迷し、内需も伸び悩んだため、マイナス成長は辛うじて回避されたものの、景気の減速が一段と鮮明になった。

2003年度に入ってからも、米国景気をはじめ世界経済の先行きが不透明なことに加え、ドル安や重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響もあって、輸出環境の好転を期待しづらい状況が続いている。また、株価の低迷が、設備投資や消費に及ぼす影響も懸念される。
景気の失速を避けるため、政府は、証券市場活性化策を着実・迅速に実行するとともに、予算を前倒し執行すべきである。日本銀行も、実効ある金融緩和をさらに強化することが求められる。

以上


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