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四国地方経済懇談会後の共同会見における奥田会長発言要旨

2003年1月29日
(社)日本経済団体連合会

【日本経済再生のための課題】

日本の課題は、短期的には、不良債権の処理を早めてデフレの進行を阻止し、経済活性化を図ることだ。中長期的には、米国と中国という大国の間で日本をどう運営していくかを考えることだ。一つには、創造技術立国の道がある。内需振興も重要であり、「住」、「都市環境」に重点を置く必要がある。

【3月期決算】

決算は前年に比べてプラスに出るのは間違いないが、利益が予想されている20%の増益になるかどうかは、現時点での判断では難しい。

【デフレ】

デフレスパイラルは好ましくない。数年前は高コスト構造改善が課題であったが、今は物価が下がって大変な経済情勢になっている。われわれは現在、狭い道を走っている。

【インフレターゲット導入論】

どうやって実施するのか、何%とにするのか、といったテクニックが難しい。現在日銀が行っている、物価下落がゼロになるまで金融緩和を続けるという政策は、インフレターゲットの一つであると考える。

【消費税】

総理が消費税を完全否定しているとは思っていない。消費税の議論はしてもよいと言っておられる。引き上げ時期にこだわる必要はない。

【小泉総理の公約】

公約の実行について、今は50点の評価をしている。改革にはいろいろな周辺整備も必要であり、すぐにできるものではない。改革には何年もかかるし、国民の痛みも伴う。もう少し見守る必要がある。

【カジノ構想】

私がイメージするカジノは、賭場というのではなく、家族団欒の場になりうるテーマパークのようなものである。構造改革特区の提案で出たカジノ特区は関係省庁から否定されたが、まだ諦める必要はない。

以 上

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