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記者会見における奥田会長発言要旨

2003年7月14日
(社)日本経済団体連合会

【第2次訪欧ミッションの成果】

イタリア、英国、スペインの3ヵ国を訪問してきた。いずれの国も、日本同様、21世紀の成長の源泉を技術革新や先端技術の開発に求め、産学官連携を積極的に進めていたのが印象的であった。EU拡大についても、市場の拡大につながるということで各国とも明るい見通しを持っており、日本からの投資、貿易の拡大を求められた。通貨統合については、(ユーロへの参加を当面見送った英国の)ブレア首相、ブラウン蔵相とも、急いではいないが、いつかはユーロ加入を実現したいとの意向を表明した。

【北京―上海間の高速鉄道計画について】

(日本の新幹線方式が採用されるかどうかについては、)中国政府部内にも新幹線方式(鉄輪方式)の採用を推す勢力が多いとの話があり、楽観視している。8月に訪中する予定だが、その際は、車両編成やノウハウ、必要な資金総額やその調達方法など、具体的な問題について今後詰めていくため、日中両国による合同委員会の設置などを提案してきたい。

【株価・長期金利について】

(最近、株価が堅調に推移しているのは)イラク戦争の短期終結、新型肺炎(SARS)の終息、米国経済が本年後半にかけて当初見込みよりも良くなるとの見通し、といった外的要因に加え、企業業績の回復、配当利回り重視による株式取引の広がりという国内要因が作用しているのではないか。
長期金利については、今のところ株価も上昇傾向にあるので、多少あがったとしても心配はしていない。ただ、有利子負債を抱えている企業にはリスク要因であろうし、設備投資にも水をさすため、注視している。

【日本経団連の優先政策事項について】

本日の会長・副会長会議では、今月下旬の東富士夏季フォーラムでより深い検討を行うということが決まった。具体的には、8から10ほどの項目となるのではないか。

【電力不足問題について】

経済産業大臣も(原発が立地している)地元の説得にあたるなど、関係者の努力によって少しずつ原発が再稼動している。こうした努力が実を結べば、今年の夏の電力不足問題は解決の方向に向かうのではないか。とは言え、それでも需給状況は逼迫しているので、消費者側としては引き続き節電に努めるべきである。

以上

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