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記者会見における奥田会長発言要旨

2003年10月6日
(社)日本経済団体連合会

【温暖化対策税(環境税)に対する考え方】

中央環境審議会の委員会から報告された温暖化対策税案は、とりやすいところから徴収しようとする、実質的な産業界への新たな課税である。国際競争力への影響や、既存エネルギー税との関係など様々な問題点があり、本日の会長・副会長会議では、日本経団連として反対すべきとの方向で一致した。
温暖化対策の検討においては、削減が進んでいない民生部門対策をはじめ、徹底的な議論と検証が不可欠である。民生部門対策については、国民のライフスタイルを変えていくことしかないと考えている。

【日本道路公団の藤井総裁更迭について】

(解任ではなく)自ら辞任するほうが賢明ではないか。新総裁には、指導力に富んでいることはもちろん、物事を公平に見ることができ、数字を把握できる人が相応しい。また、道路と関係の深い業界出身の人ではない方が望ましい。

【民主党のマニフェストについて】

政治資金について、収入と支出の透明性を求めている点には賛成できるが、1円でも公開するというのは、手間も経費もかかって現実的ではないと思う。
また、消費税を基礎年金の財源に充てるとしている点には賛同する。ただ、税率引き上げの時期や引き上げのやり方などについては、検討の余地がある。

【年金制度改革】

保険料率や給付水準の引下げ幅、国庫負担の割合という3つの変数をどう組み合わせるかが最大の課題である。国庫負担の割合については、私は2分の1にすべきだと思う。また、消費税を主要な財源とすべきである。

【日墨FTA】

WTOカンクン閣僚会議が決裂したこともあり、わが国としてはFTAを推進していかなければ世界に伍していけなくなる。その意味でも、日墨FTAは(フォックス大統領来日を機に)何とか決着をつけてほしい。

【イラク復興支援】

財政状況が苦しいこともあり、(復興支援のための拠出金額は)少なければ少ないほうが良いが、他方、中東地域に原油を依存しているわが国としては、相応の貢献を行う必要がある。具体的にどの程度の金額や拠出割合が妥当かは、現時点ではわからない。

【為替について】

上がるにせよ下がるにせよ、急激な変動は好ましくない。最近の円高は、輸出産業に影響が及ぶという意味で、日本経済にはマイナスになる。

以上

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