経済のグローバル化による構造変化に加え、原油価格の高騰や為替の動向などにより、企業経営の中長期的な見通しが極めて立ちにくい中での交渉であった。自社の経営環境や業績、支払い能力などを踏まえて賃金決定を行なうとともに、短期的な業績は賞与・一時金に反映して従業員に報いるとの考えが定着したと思う。
さらに、賃上げなどの経済的な豊かさだけでなく、多様な働き方および国や企業の諸制度のあり方など、働く人の「こころの豊かさ」をいかに実現するかを話し合う個別労使が増えていることは、望ましいことだ。今後も、このような交渉を期待したい。